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■ 9/3(月)ハッピー・トラウム ここはどこだ?ベアズヴィル・シアターか、はたまたグリニッジ・ヴィレッジのフォーク・シティか?ウッドストックから遠く離れて。とは言っても、ヤスガース・ファームでおこなわれた野外ロック・フェスの事ではなく、かの閑静な佇まいをみせる田舎町の方。ハッピーと弟アーティーのトラウム兄弟のことを知ったのは、70年代にURCから発刊されていた『フォーク・レポート』誌。マリア・マルダー、エリック・カズ、そしてトラウム兄弟が参加した、とびっきり素敵なフォーク・セッション、マッド・エイカーズのアルバムが紹介されていた。この記事を書いたのが、浪速岸ノ助こと中川イサト。今回の日本ツアーに、イサトさんが同行したのにはこんな深い因縁もあるのだ。その中川イサトさん、いつになく緊張気味だったのが微笑ましかった。ハッピーに合わせて、ギター・インストではなくヴォーカル物をたくさん用意してくれたのは嬉しい限り。ハッピー・トラウムだが、今年ですでに62歳となる。ボブ・ディランの先輩格として、60年代からNYフォーク・シーンの中心的な存在として活躍していた彼、その歌声は思いのほか若々しかった。ギターもヴォーカルも瑞々しく、なによりも歌うこと、演奏する事への喜びが全身にみなぎっている。後半はイサトさんが加わっての夢のデュエット。「スポーティング・ライフ」などを日本語と英語で楽しげに歌い継いでいった。(小川真一) ■9/8(土)ドス・キゼオス 今どき、ラテン音楽と言えぱ、「踊らしてくれるんだろうな」と念を押す人もいるかもしれないけど、ドスキゼオスは、そういうノリとは趣を異にするバンドだ。キューバの伝統的なソンという音楽にじっくりと取り組んでいて、長年音楽の世界に身を置いている関係上、歌もギターもめちゃうまい。コーラスなんか、泣けちゃうくらい気持ちエガッタもんね。ほんでその日は東京から応援にかけつけたトレスギターの末永氏も絶好調で、トレスの音色が全体の演奏にくっきりとアクセントをつけていた。「エスペランサ」や「ラグリマス・ネグラス」などソンの代表的なナンバーに、オリジナルの歌詞をのせて歌ってるんだけど、もうアレンジとか、カバーとかいう言葉からはるか遠いところに存在していて、超個性的。ソンのエッセンスだけを抽出して、それにドス(須藤)さんとキゼオ(尾関)さんという人間そのものが織り混ざっちゃっているような音楽なのです。なーんちゃって、ほんとはわたし、キューバ音楽なんか、全然知らんのだけどさ。そんだけ、誰でも楽しめる気持ちの良い音楽だちゅうことですわ。で、もちろん、踊れる曲もあるよ。おじさんバンドだけあって、客席もおじさんとおばさんが多かったけど、ステップとか全然無視して、みんなお茶目に踊ってたもん。(ハッピネス鞠奴) ■9/10(月)雅寛と良明 台風15号と共にやってきたムーンライダーズの「陽」の部分を醸し出す武川雅寛(くじら)と白井良明のデュオ・ユニット、名古屋初登場であります。「かしぶちてつろう」と命名したリズムBOXと共に始まったライブも雨のためか、はたまた老体のためか「かしぶち」君が失速、あえなく退場。結局二人だけの純粋なアナログライブになり、これが又、効をなしたのか良明の明るさと相まみえて和やかに、時として適度な緊迫感を持ち、何時までも少年の心を持ち続ける二人の熟年のテクニックを十分に聴くことが出来ました。こういったデュオユニットの楽しみと言えばやはりライダーズの曲やソロアルバムなどの曲が再アレンジを経てアンプラグドバージョンで聴けることに他ならないと思います。中でもくじらのソロトランペットから良明のギターが絡み始まった「青空のトランペット」はオリジナルよりもブルース色が濃厚で思わず「イェーイ」と唸ってしまいました。飲み屋でよく演奏すると言っていた良明のクラシックGによるインスト「すきやきを向いて歩こう」は良明のギターに対する情熱がムンムン伝わってきて、ギター少年ぶりを発揮していました。ライダーズの哀愁部門を一手に醸し出すクジラ氏の透きとおる声とメロディアスなバイオリンに今宵40男もノックアウトされる夜でした。ちなみに12月12日に久々にムーンライダーズ、名古屋でもLIVEを行う予定です!!(太公望 タケオ) ■9/26(水)マーシャル・クレンショウ マイケル・シェリーの人柄の良さが伝わるハートウォーミングな歌声と、数杯のアルコールでかなりいい感じになっていたオーディエンス。その中、マーシャル・クレンショウが1本のアコギを抱え登場、最新作#447からの1曲“Television Light”でステージは静かに幕を開けた。細かくノーツを埋めつくしたクリアなギターの音に20年来変わらないレコードと同じ瑞々しい声、イカした茶色の皮靴の底から鳴らされる絶妙のタッピング……それまでのゆるい空気がガラリと変わり、ピンと緊張感が走った一瞬だった。とかく繊細さや甘さが語られることの多いクレンショウだが、この一晩でそんな軟弱なイメージはすっかり一掃されてしまったに違いない。往年の人気ナンバーに加え、「アイム・オンリー・スリーピング」(さすが、ビートルマニアのジョン・レノン役!)や「いとしのルネ」といったカヴァーはあまりにはまりすぎ、そして、とても弾き語りとは思えない力強さとボリューム、そこから生まれる熱い(しかもクールな!)グルーヴ感はロックンロールであり、ブルースであり、まさしく本物であった。アメリカでのテロ事件直後にかかわらず、ニューヨークに家族を残し、来てくれた二人に感謝……彼らのプロフェッショナルなミュージシャン魂にもう一度乾杯!(伊藤いづみ) ■9/27(木)バンバンバザール・デラックス 今回はいつもの5人にピアノとホーンセクションを加えてのDXバージョン!この夏めいほう音楽祭や24時間TVへの出演した成果か会場はものすごい人。しかもステージと客席との間には鉄柵まで出ているし。はじめて見たっ。そんなもんだから始まる前からまだかまだかとコーフンしちゃいました。うだつの上がらない男の歌をVo.の福島さんが中途半端にしゃがれた声で歌うと(いきすぎていないって意味での賛美です。念のため)情けないけどかっこいいなぁって思うし、感動という言葉からは程遠い内容の歌詞なんだけどジャンプ(?詳しくは知らないんだけど)のリズムやメロディーで演奏されると自然とギャハハと笑顔になって「こんな些細なことでなんて幸せなんやろ」ってジーンとしちゃうんです。福島さんが「バリバリのブルースやるとさぁ、お客さんがみんな楽しそうに聴いているのが嬉しいんだよなぁ」っていうようなこと言っていたんだけどなんかのインタビューで読んだ甲本ヒロトの言葉「ブルースはとびきりのダンスナンバーなんだよう」を思い出した。バンバンを見た帰り道はいつも、明日からはしっかりやらなにゃあと思って♪かなしいことにはさよなら、楽しいことばかり夢見てさぁ歩こう♪ってのを歌って帰ります。(マジで)(片渕 |