■7/13(火)ハース・マルティネス
会場時間三分前に、トクゾー到着、既に10名ぼど列を成している。ハース・マルティネスは、あの76年8月のラスト・ワルツに誘われた大物なのだ。胸も高まる。
 今回は、二度目の来日。名古屋は初。前回は、1999年4月。ドリームズビル・レコードからライヴCDも発売された。公演日程を見ても、よくぞ呼んでくれたという感じ。まさに奇跡的な名古屋公演。
 ギターの弾き語りによるステージ。一曲目は、セカンド・アルバム「ビッグ・ブライト・ストリート」から“モスマン・サンバ”だ。マッキーの好きな曲。陽一君は「コードが増えとる」。寺さんは「あんなギター弾いてみたい」。と唸る。ギターは、うまいんだけど、けっこう荒いところもある。開放弦のミストーンあっても止めない。そのまま鳴らしておけという感じ。そういう所がいい。即興性が高いのだろう。僕は、こういうギター大好き。
生で聴けて幸せ。前半に、名曲「5/4サンバ」、インストで「バイ・バイ・ブラックバード」、ファーストから「サタデイ・ナイト」などが聴ける。ドナルド・フェイゲンとの共作曲が、気になる。新作に入るのだろうか?新作は出る予定とかあるのだろうか?そのあと、アップライト・ピアノで二曲披露。その風情が素敵。兄貴は、「まるで、ランディ・ニューマン」。たくちゃんは「ティン・パン・アレイの作曲家かと・・」まっ、外人だから。でも唸る。中ごろあたりで、代表曲“オールトゥゲザー・アローン”をやる。前方で聴いていた“オシャレ・ハイパーさん”が終始うまく盛り上げてくれる。ボブ・ディラン「カントリー・パイ」を、やった。よい選曲だと思ったが、そんなには良くなかった。後半は彼の三枚のアルバムには入っていない、スタンダード、ブルース、オールディーズなど聴ける。普段のハースのレパートリー?なのかな。
 “アイム・ノット・ライク・アイ・ワズ・ビフォア”を、やらなかったが、スタジオ盤では、デヴィッド・サンボーンによる流石としか言いようのない2コーラスに渉るサックス・ソロが聴けますので、是非、CDショップで!(新星堂 名古屋店 黒川哲洋)

■7/16(金)17(土)Sentimental City Romance
 僕は土曜日しか行けなったけど、10年ぶりにセンチのライブ聞きました。いきなり、「ムーンシャイン&サンシャイン」で始まり、まさにセンチのコーラス。その後、グッちゃん(野口明彦)のソロボーカルが2曲続いて、いつものセンチワールド突入。うーん、この軽さはただ者ではない??? 懐かしかったなー。
 僕が初めてセンチを見たのは高校2年生の時だから、今から37年前の事。鶴舞公園の「普選記念檀」(通称普選檀。その当時、名古屋で野外コンサートと言えばいつもここでやっていた)の野外コンサートで、重いフォークシンガーと、暗いブルースバンドの間に、何故かぽつんとこの軽さ(爽やかさ)を引っさげて登場してきたのは、とても新鮮だったね。その時の最後が中塚正人さんの「風景」って言う曲で、つーさ(告井延隆)が12弦のエレキギターでズンチャンチャカチャカチャーンて弾き始め、突然5人で歌いだしたのを聞いて、「あっ!バーズだ!」と、いきなり叫んでしまったのがセンチとの始まりだったかな。でも、続ける事ってすごいよね。どんどん、どんどん素敵なバンドになっていくんだね。ところで、グッちゃんがぼそっと言ってたんだけど、「続けてるんだから新曲やりたいよねっ。」って……。そうだそうだ! とっくん(中野督夫)、ゆたさん(細井豊)、つーさ、頑張って新曲創ってよ!(祈祷)

■7/20(火)大西ユカリ
地元大阪より遠征の熱狂的ユカリファンであろう、おじさま連中にやや押され気味の客席。「おっちゃんら、いつもの通天閣とは違う、ちょっとよそ行きで頼むわ!」「この曲だけは黙っといてや」などユカリさんの一喝?が所々ポンポン飛び出す。う〜ん懐が深いっ!自身の熱望により実現したという宇崎+阿木という昭和の歌謡曲を支えた名コンビとのタッグによる新作を中心にアロージャズオーケストラの円熟の演奏が加勢する。男にやきもちをやかせたいがために背伸びをして浮気をしてみせようとするオンナ、明け方川べりを歩く悲しいだけのオンナ・・・。色とりどりのオンナ達。口ずさめる懐かしのヒット曲あり、宇崎氏への敬意がひしひし伝わる「身も心も」、さらなるWアンコールでは百恵ちゃんのロックンロールウィドウ。歌詞忘れるも「2番忘れたロックンローラ〜」とやりきる女の凄味と可憐な一面も。お天道さんに見守られ、ひたすら真摯に歌いつづけてきたであろう大西ユカリは、終始、如何なることが起ころうともお構いなし。すでに客席も入り混じり酒酒酒の歌謡ショーは大団円。ゴッつい姉貴という勝手なイメージに失敬!しなやかさをも兼ね備えた美しい女性だ。次回は是非ビッグバンドスタイルで登場をと、ド贅沢な思いに胸を焦がしつつ。ウチの母ちゃんも誘おっと。(ハヤシ)

■7/21(水)山本精一&THE PLAYGROUND
「PLAYGROUND」というニューアルバムの発売記念ライブ。
ロックのPARA、ROVOや即興的なボアダムス、想い出波止場等のいろんなユニットのギタリストとしてよく知られていると思うけど、今回の山本精一さんはギター・ドラムのデュオでシンプルな歌の演奏が中心であった。演奏中はトイレも禁止というMCがでてきた事からも想像できるかと思いますが、非常に緊張感のある雰囲気が会場を埋め尽くし、観客達はあまり話せなく、何の飾り気もなく、控えめな声でシンプルな歌を歌っている精一さんを見ると、なんかびっくりするものであった。
この優しさはこれまでのノイズ形の活動に対する反応かな? 神秘的な精一さんの心機一転かな?
個人的に深遠な意味がある歌だという印象を受けたが、実際に意味よく分からなかった(泣)。カバーバージョンも混ぜたが、その日は、アルバムの名が示すようにちょっと童謡っぽい単純なメロディの落ち着いた歌のほうが多かった。。エフェクトを重ねて、騒音がうるさくなって来て、一瞬これまでのアバンギャルドな精一さんが見え隠れする時もあったけど、ほとんど落ち着いた感じ。千住宗臣の器用で穏やかなドラムもそのスタイルにうまく適合した。
・・・あぁ、ビール飲みながらこういう落ち着いた感じのライブを観るのは夏の夜にぴったりだな〜♪(Andrew Farmer)

■7/24(土)キャラバン&バランス2010/a-fank syndicate
 始まる前から異様な興奮に包まれていた。それは歴史的なバンドの再結成の現場に立ち会うというよりも、あの時代の、あの空気を共有した仲間たちが集まり、再び祭りを準備しているような、そんな大らかでねっとりとした雰囲気が漂っていた。キャラバン、そしてバランス。このふたつのグループの名前を目にするだけで、心の芯が熱くなってきてしまう。当夜集まった誰もがこの想いを抱いていたはずだ。演奏は意外なほどゆったりと始まった。それはまるで、客席からのヴァイヴレーションを集め、静かに発酵させるかのように見えた。バランスの「雨」、キャラバンの「不良少年」と、胸をときめかせた時代の歌が続き、会場の温度をぐんぐんと高めていく。余裕はある、がしかし危なげな部分も捨て去ってはいない。これが大人たちの演奏だ。西尾アキとMabo 雅弥のツイン・ドラムが脈動を高め、犬塚健二のベースがそれらをコントロールしていく。やはりペケ(いとうたかお)の歌は、須川光のキーボードと山岡安のギターが加わると俄然、新たな光りを放ち始める。刺激的過ぎる一夜であった。あの夜の一音一音が、まだ脳裏にくっきりと刻み込まれている。これはたった一度の伝説なのか。もうひとつの大きな出発が、当夜のライヴの中に秘められているように思えてならない。 小川真一(音楽評論家)