■9/10(木)the thing + 大友良英
想像以上にこの日のTOKUZOは満員だった。大友さんのメディア力のせいだろうか。音で、行動で、文章で、大友さんが発信していくものに触れるたび、私はいてもたってもいられない気分になる。そこに行き、そこにある音を聴きたいという強い欲求。その音の周辺には、「今・現在」を読み解く何かがあるのではないかと、そう思えてならないのだ。北欧のフリージャズ集団“the thing”+大友良英。演奏はすべて即興。かなりカオスなものを想像していたのだが、編みこまれていく4人の音は時に劇的な方へ向かい、思わず涙腺が刺激される。ああ、すごくいい、と思ったものが、1曲ごとに更新されていく。サックスのマッツの咆哮が胸を刺し、大友さんの激しいギターに揺さぶられる。the thingは音圧といい迫力といい重戦車のようで、大友さんとも相性がよく、4匹の怪物がものすごい重さとスピードとキレのよさで疾走しているようだった。しかもそこに劇的な激情が入り込むから、魂が奪われてしまうよ。満ちていく音が、恍惚を貪欲に希求していく。この音を余すことなく体全体で受け止めて、すべてを記憶して、内臓も骨も音に揺さぶられたり刺されたりして、自分のいろんな器官が壊れる寸前まで行ってしまえばいい。音の中で私が細かい肉片になることを夢見てしまった一瞬。(cafeロジウラのマタハリ 美尾りりこ)

■9/11(金)ショーロクラブ
いまさら説明するまでもない秋岡 欧(バンドリン)、笹子重治(アコースティック・ギター)、沢田穣治(コントラバス)によるブラジルのサンバにも影響を残した都市音楽“ショーロ”を冠したショーロクラブ結成20周年記念東海ツアーの初日@TOKUZO。ショーロよりもオリジナル曲がメインの実力派トリオ、4年ぶりの最新作「Trilogia」からのナンバーを超絶テクニックでさらりと弾きこなす。いい意味で年輪を重ねたおっさんらしい、肩の力が抜けた職人肌な演奏。その空気感は20年の重みよりもこなれた軽妙さ気負いのなさが際立っていて、ショーロクラブ・ワールド全快だった。きちっと楽譜に起こされた音楽なのに、良い意味で自由度の高い即興さをもった彼らの演奏は“ショーロ”という音楽のもつ本来の精神性を感じた気がした。快適で美味しい食事と、軽妙な音楽♪、おやじギャグ炸裂のスパイスもいい感じで揺らめきながらどっぷり浸って・・・ 幸せな時間をアリガトウ。個々の活動もバラエティに富み、いずれも興味深いけれど、出来れば名古屋で定期的にライブして下さい。(谷本雅世:音楽ライター)

■9/17(木)ASA-CHANG&巡礼
4年ぶりの新作「影の無いヒト」を引っさげての全国ツアー。言葉を解体し組み立てなおして新たな意味を持たせたり、パーカッションの一部のように歌とも日本語ラップとも違う唯一無二の不思議なサウンドを生みだすASA-CHANG&巡礼。全体のイメージからくる暗さやとっつきにくい難しさも、実は斬新でレトロな遊び心満載のとっても楽しいチンドン屋。超絶タブラにトランペット、ギターにリコーダーと、その音楽が本来持っているモチベーションはライブでこそ本領発揮されるのです。ステージ両サイドにはブラックライトが仕込まれ、あぐらを組んだ2人に怪しく光る巡礼トロニクスという異様な光景。前列に桟敷席も用意された客席はあれよあれよと満員御礼。徐々に盛り上がる会場は途中休憩無しのノンストップで進んでいった。しかし、今回のASA-CHANGのしゃべりはいつもと違う感じ。何でだかわかんないけどMCが空回り気味でした。あとから本人いわく「名古屋のお客様は巡礼のサマを凝視&凝聴しているようで、多少(かなり)たじろぎましたです苦笑。」とのこと。だけどご心配なく。もちろんいつも以上に盛り上がっておりました。アンコールではちゃっかり歌詞カードが配られ、みんなで一緒に「カクニンの唄」を歌った。とにかくいろんな意味でのカクニンとなったのでした(笑)(磯野 等)

■9/19(土)GOMA&The Jungle Rhythm Section
生GOMA初体験なのだ。CDもちゃんと聞いたことがなかった私が何故、得三に足を運ぶことになったか?…6月にラダックのレーでディジリを吹く旅人に遭遇。GOMAなあ、と、ふと思う。8月。中古CDでGOMA発見!買っとこ。で、得三でGOMA。流れからして行けってことですな。当日はGOMA待ちで長蛇の列が!つけ麺をおいしく頂き、得三に戻ると中は寿司詰め。ステージにはオブジェのようにディジリ。始まる前から「旅」「祭り」の空気を醸し出していた。ライブは、まさに超絶グルーブ。ディジリに叩きモノ三つの組み合わせが快感だった。リズム隊は一丸となって雷様のように腹に響く。その上をGOMAのディジリが浮遊する。派手な頭巾を被ったGOMAは空海か最澄の様だ。両手をひらひらさせる姿は千手観音ではないか!おお御仏じゃ、ありがたや〜!ディジリの音はお経なのか知らん?「生麦、生ゴマ、生卵」と早口言葉かもよ。細いディジリ吹くGOMAって槍構えたインディアンの戦士みたい。そんな適当なこと浮かぶほど心地よい。ブイブイいう度に得三が収縮、拡張するような…。室内なのに、星とか青空を感じさせるグッドバイブレーションでした。セサミンと同じく続けねば!次のライブも見に行くぞ!(尾関功次)

■9/28(月)blues.the-butcher-590213+ムッシュかまやつ
毎回素敵なライブを見せてくれるblues.the-butcher590213、今夜は元スパイダーズのギタリストムッシュかまやつ氏とのライブと言う事もあり、いつもよりもドキドキ、ワクワク!
まずはビートルズやエルビスプレスリーでもお馴染みの「Be Bop a Lula」からスタート。初めて見るムッシュのステージは力強く、今年で生誕70周年とは思えないほど声にハリがあり、ギターをかき鳴らしてました。「数少ない尊敬するミュージシャン」とリスペクトするホトケさんはライブ中終始ご満悦で、2人のギターソロの応酬は素晴らしかった。沼澤さんもいつになく熱のこもったドラミング、それにピッタリ合わせて奏でる中条さんのベース、今夜も最高のリズム隊。お客さんをあおりながら疾走するKOTEZさんのハープにお客さん達のテンションも最高潮に。2ステージ目の「Boom Boom」ではお客さんそっちのけで踊りまくるムッシュ!もうここまで来たら踊るしかない!最後はお客さん総立ちで「MOJO BOOGIE」を大合唱。なかなか鳴り止まない拍手とともに最高の夜が終わりました。ムッシュとブルースザブッチャーのみなさま、素敵な夜をありがとうございました。そしてまたやって下さいね。(イノウエユウコ/Traditional Asia)