■12/6(木)トクマルシューゴ&ザ・マジックバンド/OGRE YOU ASSHOLE
 世界を股にかけ活躍中の若きポップ・マエストロ、トクマルシューゴの傑作3rdアルバム『EXIT』リリースツアーの名古屋場所。ゲストはオウガ・ユー・アスホール。勢いにのっている2組のライブとあって会場はオールスタンディングで満杯。まずは10・11月とアート・スクールとの2ヶ月間のツアーやアジアン・カンフー・ジェネレーションのツアーのオープニングアクトを終えたばかりのオウガから。ツアーの成果か一つ一つの音の力強く説得力が増した印象。良いライブでした。3月に場所を同じく得三で行われるワンマンも楽しみですね。続いて今夜の主役のトクマルシューゴ。今回は曲者揃いのマジックバンド(ドラムがイトケンさんだったりベースがサケロックの田中さんだったりと、何気に豪華メンバー)を従えての演奏。ステージ上にはトクマル氏を含め8人。見た目も楽しく、正におもちゃ箱をひっくり返したような、という形容がピッタリの音の応酬に客席は笑顔で一杯。このひと時、ステージ上に音楽の神様が舞い降りていたのではないでしょうか。会場全体が幸せな雰囲気で満たされておりました。日本のポップミュージックの未来は、彼等に託しておけば大丈夫だろうと感じずにはいられない一夜となりました。(まきのしん)
■2/8(土) 山本精一 & ACID MOTHERS TEMPLE
 一年待った甲斐があった。静かに、ゆるりとセッションの幕が開く。帽子&サングラスに身を包んだ山本精一のピッキングがバンド全体を透き通らせる。これまでに耳にしてきた、一見むさくるしいAMT(失礼)とは一味違う、どこかカラリとした薫りが醸し出されて、それだけで頭クラクラとなった。だがそれもつかの間、徐々に熱気を帯びてフロアが大きく揺れ始めていく。過去にも山本×河端の組み合わせは存在したけれども、二部構成合わせて150分を越える長丁場、両巨人(両阪神?)の弾きまくり、繰り出しを心ゆくまで酔いしれた。《山本精一&Acid Mothers Temple》というチラシ表記もあながち間違いではなかったのだ。ゲストの栗山純、Ohpiaのライトショウを加えれば、40年前フィルモアの幻影を追い求める必要なんてない、いま目の前で繰り広げられる《大サイケ》こそ最高のロック・ミュージックではないか。ならば満員御礼の若者250名とはなんと僅かなことか、この十倍どころか百倍の観衆を前に繰り広げられてもおかしくはないのだが・・・。とはいえ年に一度、世界中でTokuzoでしか体験できない祭りは2008年も同じく12月第2土曜の夜に開催されるとのこと、私も新しい手帳に印を付けておいた。(高山学)
■12/13(木)Eddie & Martha Adocock with Tom Gray
 60〜70年代に日本ブルーグラス界で一世を風靡した「カントリー・ジェントルメン」のオリジナルメンバーであるエディ・アドコック、トム・グレイとエディの妻マーサ・アドコック、による公演、開演前から客席は超満員です。その世代には懐かしいジェントルメンのナンバー、アドコック夫妻によるオリジナル、エディのフラットピッキング・ギター、12月ならではのクリスマスソングと盛りだくさんの内容。ブルーグラスらしい、速く激しい演奏はありませんでしたが、エディのリズミカルなバンジョーとギター、マーサによる優しい歌が印象的な、古きよきアメリカの風を感じる、暖かい雰囲気のライブでした。人柄もフレンドリーで、演奏後のサイン会には長蛇の列ができ、サインだけでなく酒を酌み交わしながらの雑談にも応じていました(このミュージシャンと観客の距離の近さは得三ならではですね)。あとから知ったことですが、エディは今年70歳を迎えるのに加え、昨年心臓のバイパス手術を受けており、ビールを飲まないと指の震えが止まらない状況だったそうです。なるほど終始椅子に腰掛けての演奏でしたが、演奏ではそれを感じさせないすばらしいミュージシャン魂に、改めて拍手!!(Sunny Village/亀田浩史)
■12/21(金)イエス玉川
 客に酒をねだるわ、おひねりを要求するわで、とんだイエスさまだったけど、舞台が近かったせいか、あんなに芸人にちょっかい出したのは初めて!おもしろかったわ〜。独演会だけど、独演会じゃない。舞台側と観客側が一体となって、一緒に「場」をつくっていけるって、ありそうで実はそうないよね。さすがイエスさまだ。でもこの伝道師、やっぱり本業は浪曲師。第二部では任侠・人情の世界を涙ながらに語り、きっちりと国定忠治をうなってくれました。勧善懲悪のちょっぴり時代錯誤的なストーリーも、艶のあるお声と巧みな節回しで、全くノープロブレム。年季の入った芸に浪曲ビギナーも、ついひきこまれていく。途中途中で、突然素に戻って、話の筋とか、当時の時代背景とかをわかりやすく説明してくれたりするんだけど、これも語りの合間のほどよいスパイスって感じで、結構な味付けでした。浪曲って、ストーリーを語りながら、合間に歌も歌うし、三味線の合いの手も入るし、数ある伝統芸の中でも、とてもエンターテイメントのあるサービス精神いっぱいの芸だと思う。日本の芸ってやっぱいいなぁ。「間」や「リズム」の取り方は、ぜひ見習いたいもんだ(芸人になりたいわけじゃないけど)。でもまあ、今度浪曲やってくれるときは伝道師の衣装は脱いで、着物に着替えてね、イエスさま!(浜奴)
■12/27(木)28(金)29(土)モロ師岡歳末大売出し
 伏見G/pitとの合同企画として催された「モロ師岡歳末大売出し」なるこの企画。忙しい年の瀬に、こんなにゆる〜りして 良いのか! と自問しつつ、あまりの心地良さに気づけば全日制覇。まず、前2日のG/pitには、しみじみ四畳半が出現。背広姿で高座はコタツ、というサラリーマン落語と、ホロリ涙を誘う名コント「ポスト」を披露したモロ氏ワンマンに続き、2日目はこのモロ部屋に、うた(時々小楽器)とウッドベースというシンプルな構成で独自の世界を奏でる、ふちがみとふなとが遊びに来て生音ライブ。感動し、アクシデントにハラハラしつつ、なんとも微笑ましい時間を堪能した。そして最終日今池TOKUZOナイトは、モロ&ふちふなの絆もさらに強固に、今回のための書き下ろしコラボ曲「芸歴三十年」「シアワセ」「しみじみ唄」の披露、スペシャルゲストいとうたかおの登場で、盛り上がりは最高潮に! モロ氏のコント「忘年会に誘われなかった男」、「ピッチャー」では生SEになんと「巨人の星!」を盛り込んだふちふなの「ワイルドサイドを歩け」、さらに、あのいとう氏を歌わせたしまった!?「神田川」コラボ…etc.数え上げればキリがないが、遅れてきたクリスマスプレゼントと、ひと足早いお年玉を一度にもらった気分! あぁ、なんて贅沢な企画。しみじみサイコー!(望月勝美)