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■6/13(水)Toon
Maharaj・逆瀬川健治・他 この日のライブは、我々印度音楽ファンにとっては、大変魅力的な演奏会でした。本来此のふたつの太鼓はパカワジを源流として発展進化したのがタブラ・バヤでありますが、こうして同時に演奏される機会も大変珍しいのですが、交互に繰り出されるリズム(12拍子)と音色は各々の太鼓の魅力を余すところなく我等に伝えておりました。それは恰もパカワジに印度亜大陸の響きの如く原始的なサウンドとリズムを残し、方や タブラ・バヤの絹糸の如く艶やかなサウンドと印度細密画の如く精密なリズムはヒンドゥスターン文明の開化を感ずる魅力的な音楽トリップでした。 今回の演奏会とトゥーン・マハラジ氏の日本ツアーをお世話した若手音楽家、金子哲也君(パカワジ)と本橋邦久君(シタール)の活躍も大変頼もしく又今後の精進を期待する次第です。(橋本晴安・松阪プリミティブ・アート・モト代表) ■6/16(土)カール・ストーン/前林明次 ストーン氏が名古屋芸大等でのレクチャーの為に来日するとの話を聞き、折角名古屋に来るならライブもして欲しい!と企画した今回のライブ。先ずは前林明次ソロ。環境音楽のようなのだけれど微妙に変化しつつ実はしっかり構成されていている。そんなこと考えて聴いてないで、2001部の映像を見ながらぼーと聴くだけで充分気持ちがよいのですが。続いてカール・ストーン・ソロ。越中おわら節をサンプリングソースに、はじめは細切れで何?弦楽器?三味線?民謡?とだんだん輪郭がはっきりしていき、そのあとディスコサウンドがかなさっていく。とっても親しみやすい。こういったコンピューターを使った演奏でもその日の本人のメンタリティーが明らかに出るようだ。じっとすわって僅かに指先を動かしているだけのようでも他の楽器と変わらない、あるいはそれ以上なのかもしれない。ステージにラップトップがあるだけなんてと思う人にも聴いて貰いたいものだ。最後にストーン&前林DUO。二人が同じ音源をとりこんでそれぞれ加工するという演奏で、どちらがどの音を出しているのか全くわからない、というのが本日のねらい(?)。ちなみにテーマはバーチャルモロッコだそう。前々日に愛知芸文、前日に名古屋芸大でのレクチャーとカール・ストーン三昧で何かと発見の多い大満足な日々でした。(加藤佐恵) ■6/17(日)VICIOUS HAIRY MARY オーストラリアで冬越えをしてゴキゲンで帰ってきた京都のシノヤン(全力オナニーズ)の手みやげで(?)来日した、シドニー直送の「Vicious Hairy Mary」。話によると、英語がわからんでもそのハチャメチャにユニークなステージ、シニカルでヘヴィなスタイル、抜群の演奏力はお墨付、ご当地では相当な人気とか。そのシノヤンがドラムの「ロカコンボ」のイヤシ系トリオ・ザ・ロカを前菜に、酒も食も進んだ進んだ。メインの始まりは、スパイダーマンがスティック、スキン男爵がアコーディオン、アダムスファミリーなお嬢ちゃんがバイオリンを手に登場。両サイドからのびたマイクの真ん中には、赤毛のジョン・ライドン(なんとなく想像できる?)。ジプシー音楽風の軽妙なリズム&メロディに、オーバーインダストリアルでない処理のトーキング&ラウドなボーカル、シアトリカルなパフォーマンスは、「豪」というよりレニングラードカウボーイやドラジュビスに通じる「欧」の風味が強い。演奏の方は、これがかなりの正当派。奇と実との完成形が心地よい。打ち上げで素顔のドラマーに「ヘヴィスタイル・クレズマー」と言ったら、椅子から跳ねて喜んでいた。よかった、ズレてなくて。(まーみ) ■6/18(月)ショーロ・クラブ 子供の頃から楽器をチューニングする光景が好きだった。小さな優しい音が、さざ波のようで、また楽器と奏者が秘密の会話をしているようで。そのさざ波のような会話が終わり、一瞬の静寂の後、音の波が押し寄せる。聞き手はその波に身をまかせるだけ。ショーロ・クラブの音の波は、一見おだやかそうだけど力強くて、知らぬ間にその波間に身を委ねて、音の海にあおむけに深く深く沈んでゆくようだった。真上の蒼い水面から陽光が射しイルカが遊び、くじらが眠る。と想像していたら「くじらのひるね」という曲があった。ショーロ・クラブの音の海にずっとずっと沈んでいたいと思った。きっと実際に海に潜った時も、しばらくの静寂(陽が昇る直前の時の静けさ)→のあと、彼方から近付いてくるように私の中で響くのは、ショーロ・クラブの音だろう。想像力がかき立てられる、そんなショーロ・クラブのライブだった。 それにしても、大人の男の人三人が、細い細い弦をいとおしむようにつま弾く姿はかなり魅力的である。バンドリンとギターとコントラバスが生き物のように見えてきた。頭の中で楽器と奏者のロード・ムービーが始まった。やっぱりショーロ・クラブは、想像力をかき立てるのだった。(李相美) |