■9/1(土)TOKUZO's 9th Birthdayやそすけ/安藤俊子
 TOKUZO9周年の記念ライブは、二人のエネルギー溢れる先輩の世界にぐいぐい引き込まれる。「情念」とタイトルのついた今回のライブで安藤さんは、出世の為に自分を捨てた男を幽霊になって待ち消えた小泉八雲の怪談の中の女や、鬼のような夫に耐え忍び、自分の心を口にすることすら許されない明治の女の悲しい初恋、愛人を作って悪びれもしない夫をヤクザに頼んで殺してしまった岐阜の産婦人科の妻など、江戸・明治・平成の可哀想な女と哀れな男の話を実に生き生きと語り、恨めしさや憎さ悲しさ見苦しさといった情念こそ、リアルに生きている恋であると感じられた。語りに合わせる舞台から見えないやそすけさんの三味線も絶妙。交互に演奏される長唄やどどいつ、二人の気迫。キリリと背筋の伸びる演奏。いつもより暗めのステージに話に合わせて飾られた芒。月明かりにすーっと影が伸びる情景が見えてきて鳥肌もんでしたよ、本当に。おまけで黒子のロック歌舞伎の原さんのカッポレで和らぐ。こんな贅沢はTOKUZOならでは。聞けば安藤さん自身の人生が波瀾万丈。やそすけさんも常に三味線を通して攻めの姿を見せてくれる。安藤さんは今月手術をされるそうです。手術を終えて病気も歳もぶっとばしちゃって、約束の復活ライブを是非!楽しみにしています。もっと聞きたい!(豊田美佐子)


9/13(木)Arthur & Yu/Grand Hallway/トクマルシューゴ
「とても眠たいです…。」恥ずかしいのか、こっそり寝たいのか分から無いけど、暗めの照明はまるでベットルームの様だ。お陰で緊張が解け、音楽に身を任せた。眠たい人が弾くとは思えない複雑なギターの一音一音が、いちいち気持ちいい。トクマルさんの後ろで七人の小人が一生懸命オルゴールを弾くような色とりどりの音色に妄想がぐるぐる。次はシアトルを拠点に活動する2バンド。まずは男女デュオのアーサー&ユー。シンプルに進むギターコードに、ルー・リードみたく土臭いGrantの声とSonyaの美しいコーラスにじっと耳を傾けたくなる。タンバリンやピアニカを楽しそうに持つ彼女がとても印象的で可愛いかった。そして、最後はグランド・ホールウェイ。先程アーサー&ユーのドラムスの彼がボーカルとピアノのバンドだ。彼が日本人というのにも驚いたが、天井を突き抜けるような透き通った声に一瞬で魅了された。女性二人のストリングスと眼鏡を振り落とす程の力強いピアノを弾く彼がガッチリ重なり、さらに曲が際立つ。途中、客席にいた小学生以来という友人と再会、照れ臭そうにステージから話しかける姿に、私も遠く離れた友達に会いたくなった。どうやら、このトモ・ナカヤマさんは私と同じ高知県生まれだそうだ。何だか身近に感じてさらに嬉しくなった。(マルコ)



■9/19(水)JET-DAN
 ザザーン!JET-DAN!痺れた。かっこよかった。このライヴを見るまでJET-DANの事は全く知らなかったけど、そんな事は構うことじゃない。初めてJET-DANのライヴを見て一発頂戴した。やっぱりロックバンドを見るのなら、心を揺さぶる何かが欲しいよ、バンドマンがかき立てる音楽に取り憑かれ、全てを忘れ、ただ夢中になっていたいんだ!これぞRock’n Roll!!!鶴谷智生さん(dr)の全力で打ち出してくる鼓動に、僕は土煙を上げ、地面を踏み鳴らし、加速していった。すると、千葉孝さん(g)の心地良い風のようなギター音が僕のTシャツの袖から入ってきた。そして、そのそよ風は、いつの間にか唸る強風に変わって、Tシャツがバタバタと音を立て始めている。さらに金森佳朗さん(b)の振動波で足が震え、地面から足が浮いちゃいそうだ。まさにその時、“ギュイーン!!”突然エレキギターで巻かれた突風が光線となって、僕をさらい、夜空まで吹き飛ばした。そして住友紀人さん(key)が夜空で待っていたのだ。僕の手を引きさらに遠くへ、宇宙へ放り投げ、ジェットストリームへ!そりゃ最高さっ!あらゆる風景をふっ飛ばし、広大な宇宙を遊覧飛行へとJET-DANに連れて行かれたんだ。僕の心、いや全て、もっていかれちゃったよ。(和人)



■9/22(土)ザ・コレクターズ/騒音寺
 結成から20年が経つ、ザ・コレクターズ。これまで名前は聞いたことがあっても、彼らの曲に触れる機会が全く無かった。そのコレクターズが騒音寺と共演するということで、楽しみにしながら得三まで足を運んだ。この日の得三は凄い観客数で、入り口付近まで人、人、人。オールスタンディングの得三は、始まる前から熱気ムンムン。会場の大半はコレクターズファンで埋め尽くされていたのかな?そんな中、騒音寺のライブから始まった。ナベさんのステージパフォーマンスとバックの演奏が、最初から満員の会場を騒音寺ワールドへ包み込んでいく。今回、久しぶりに聴くことができたカバー曲「教訓2」。反戦歌のフォークソングを騒音寺らしいロック調にアレンジした曲。しかしこの曲、騒音寺が歌うとなぜか爽やかに聴こえてしまうという不思議な曲です。そして遂に登場したコレクターズ。ステージで初めて観た第1印象は、「デカい!」の一言に尽きますね。音はロックだが、どこかポップ的な大衆性も兼ね備えた曲に、違和感無く入り込む事が出来た。また、ライブでのMCも見所のひとつかも。観客と一体となって盛り上がるコレクターズの熱いライブを観ていると、紛れも無く20年間ロックンロールを追求してきた“ライブバンド”だなと思いました。この対バン、またやってほしいですね。(元場)



■9/23(日)24(月)今池まつり
 今池祭り、今年も楽しませてもらいました。屋台も歩いてる人もライブも多種多様で雑多な感じがやっぱり面白い。今年一番ガツンときたのはキンブル会長いちのき久助さん。小耳にはさんだ話から毒気のある面白さを予想してたら大間違い。なんだこの楽しさは?なにしろ笑える!ハデな衣装で歌い踊るいちのきさんは天にも届くような明るさ。歌唱がどうとか芸がどうとかじゃなく、存在自体がラブ&ピース。ハデだけどスマートで品があるし。おかしくて笑えるというより(おかしくもあるんだけど)、すごく美味しい物を食べた時とか、あまりにカッコいい演奏を観た時に思わず笑っちゃう感じ。お金持ちで、ご高齢で、やりたいようにやってるだけなのに(スミマセン)観てるこっちも幸せ!いちごメロンのお二人の飛び入り参加が観れたのもラッキー。三人のオーラは重なってるように思えました。いちのきさんはまた観たい。ぜひ観たい。来年も出演お願いしてください。それから遠藤ミチロウさんもズキンときた。私は初めて観たんだけど、こういうコアな方のライブがフリーで観れるのもうれしい。もうひとつ、今池交差点の横断歩道を、カラフルな民族衣装で太鼓叩きながら渡って行くノリパンの姿が、なんかいい風景でした。欲をいえば「今池音頭」で踊り狂う商店街の人々が見たかったな。(あいま いもこ)