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■5/5(土)鈴木祥子
[渋谷毅(p)かわいしのぶ(b)]
初めて見る鈴木さんのパフォーマンスが、黄金週間真只中のトクゾーで渋谷毅さん(p)とかわいしのぶ(b)のサポートというシテュエーションだったのは大変ラッキーだった。達ての願いであった渋谷さんをサポートに迎えて歌う彼女は、とっても嬉しそうで、ギリギリをちょっと越えるくらいリラックスしてステージを満喫しているように見えた。客席からのリクエストに応えて幾つかのレパートリーをその場で歌って聞かせる趣向もあった。途中、歌詞を忘れて止まったりすると観客が続きを歌い出す。彼女との見事なオクターヴ・ユニゾンはトニー・ヴィスコンティのコーラスアレンジを彷佛とさせる。とかいって。ロックのエッセンスもソコココに散りばめられ、初老から熟年へと向かいつつある私にも嬉しい。しのぶヘンドリックスにはビックリしたけど。かわいしのぶ〜。渋谷さんはどっさりと譜面を渡されていて、あまり自由になれる場面がなかったように見受けられたが、ボブ・ディランのカヴァーの途中、全員がアタマを見失ったように聞こえた瞬間、何か起こりそうな予感が過った。その時はガマン強く軌道修正を遂げたのだが、ポロ〜ンとどっかへ行っちゃってくれても良かったっすよ。いつか、素手の彼女と渋谷さんのピアノ1本というデュオも聞いてみたいな、とフト思ったものでした。(東京中低域/水谷紹) ■5/6(日)ノルムマチ/三味線やそすけ/西出百合香 韓国の打楽器アンサンブル、ノルムマチ。今池を拠点に活動を続けるノリパンの師匠に当たる人達だ。ノリパンを初めて観たのは、18年ほど前。一回目の今池祭りで、のぼり旗を掲げ街なかを練り歩いた後、梅田屋前の駐車場で、大きな渦を描いてみせた。その渦の放つエネルギーの正体が何なのか判らないまま、僕は胸が震えて泣いてしまったのだった。ノリパンは試行錯誤しながら活動を続け、7年前から毎年ノルムマチを迎えてワークショップと公演をやっている。今年は、なんと、三味線のやそすけさんとの共演。日韓伝統音楽の共演ということになるが、特筆すべきは、お互いが相手を尊重するその空気が、わざとらしくなくとてもいい感じであったということだ。やそすけさんが、ここ何年か、足繁く韓国に通い、交流を深めていることも一つの理由だと思うが、これは、やはり在日韓国人と日本人が一緒になって長年活動してきたノリパンが、ゆっくり時間をかけて作ってきた、韓国・日本・在日朝鮮、三者の相互理解のたまもののような気がする。この手の催しでよく見かける、ギクシャクしたゆずり合いや、かたくなな主張の匂いがなく、肩の力の抜けた混在が気持ちよかった。最後に、お客さんも一緒になって「アリラン」と「赤とんぼ」が、同時に混じり合って歌われる店内で、なにやら嬉しくなってしまったのだった(森田) ■5/14(月)Amos Garrett [岡嶋文(b)今井忍(g)] 大好きな赤いテレキャスターと生ギターはマーチンだ。「ちょっと友達ん家にギター弾きに行ってくるね〜。」って感じがヒシヒシと。フェンダーアンプはリヴァーブたっぷり。永遠のギター少年ぶりに僕自身も思い出させられた。もちろん唄もシブいし上手く弾くから客席は大喜びだ。レイジーボーン、香港ブルース、スリープウォークとまるで夢の中のようだ。もう、チョーキングし過ぎてメガネも落ちそう、曲が終われば「痛え〜ッ!」と左手ブルブル振るエイモス。たっぷり汗が乗っただろう弦を白いタオルでしっかり拭くエイモス。回るドラム椅子にうれしくてクルクル何度となくおどけるエイモス。中でもチャック・ベリーのバラードはラテンぽくってグッときたよ。そして歓声と拍手は鳴り止まずダブルアンコール。たばこもゆっくり吸えないけど、よしっ!というエイモスの口から「ブルースマンといえば?」そして「BBキング、Rジョンソン」と客席から飛び出す。もちろんエイモスの口から出たのは「Eプレスリー!メルトーメ!」感動で手を叩きまくったよ。過去への郷愁こそがすべて!今がすぐ過去になるから郷愁のために今を大切にしなきゃね。“アメリカの根っこ幹枝葉花変わらず育てます”ってエイモスに「ありがとうね。また得三さん家に遊びに来てね。」さあ、エレキ弾こっと。(生源寺) ■5/20(日)尾崎孝グループ/ ロンサム・ストリングス 『名古屋では随分とライブを演っているのに今回私にとってはじめての「得三」出演でした。「スチールギターストリングス」というタイトル通りカントリーやハワイアンでよく使われる楽器であるスチールギターの異なる面をたっぷり堪能していただこうという主旨のライブでロンサムストリングスとの共演でありました。前夜の大阪でのライブ以上の出来でアンコールでの「グリーンオニオン」は大変な盛り上がりをみせて・・・・各メンバーのソロも興に乗ってどんどん長くなっていきました。』(尾崎孝) スチールギターの最高峰の尾崎孝さんの演奏を聴けるという事で非常に楽しみしておりました。いやこの日のステージは終始圧巻されっぱなしでありました。尾崎孝さんが出すフレーズのその一音一音微妙なニュアンス、タッチ等すべてをコントールし、様々な世界を広げていく様はまさに職人のなす技でありました。そしてそのステージングの余裕感も合わさってリラックスして聴いているのですが、緊張感も同居しているという充実した空間を体験する事ができたのでした。ロンサム・ストリングもチャーリーパットンの曲のカバーも交えた渋い演奏。最後の合同演奏も多いに盛り上がり弦楽器の可能性を再認識する一日となりました。(臼井) ■ 5/28(月)29(火)ふちがみとふなと/モロ師岡 ひとりコントのモロ師岡さんと、京都のデュオふちがみとふなと、夢のコラボ。第1夜はふちふなライブにモロさんゲスト、第2夜は逆のスタンスで。ふちふなの曲は涙を誘うかと思えば抱腹絶倒、可愛くて時々男前の純子さんに1曲ごとに惚れ直してしまう。その上、船戸さんのベースが魂を震わせ、みんなを虜にしてしまう。えぇなァ、ふちふな。と改めてしみじみ。やがて演奏をバックにモロさんの『歌う人』朗読でコラボが始まり、「あの船戸がコントで絡むのか!?」と全ファン期待のコーナーでは、台詞をたどたどしく読む彼の上擦った声に客席一同しびれてしみじみ。2夜目は師岡コントの転換時、生着替えを自身の喋りではなくふちふなの演奏で繋いだが、しみじみ笑える選曲で、構成が練られてきた感アリ。絡みも充実で、しろくまがお題の新作コント導入の『しろくま大迷惑』、純子さんに習った鍵盤ハーモニカを手にトラック野郎姿でモロさん乱入の『トラック野郎ジョン』など逸品揃い。中でも最高の絡みはフォークソングコーナー。ギタリスト師岡と、純子さん奏でる『精霊流し』の口(くち)バイオリンで、しみじみ最高潮に。これらは愛情と信頼で裏付けられた船戸さんのベースに支えられてこその産物と、これまたしみじみ。そしてこんな贅沢な2夜をプロデュースした得三のハヤシイズミ嬢に、しみじみ拍手!(りかお) |