![]() |
■11/12(土)加藤千晶/GUIRO/カタリカタリ 「スロー・スターターズ・ワルツ」と題された今宵にピッタリな3組が集結。タテとヨコがへなちょこに交錯する呑気な横顔を覗かせたカタリカタリ。話題のコンピCD『7586(ナゴヤロック)』収録の佳曲「男と女」で唄う船出と同じく、流れに身を任せた天然のスロースタート。お次はスローライフ流の蕎麦とつゆに隠し味をそっと忍ばせるポップス料理人=GUIRO。軽やかに走りぬく「山猫」は、どんなに高い倉から翔んでも見事に着地する柔軟性を魅せた。「ハッシャバイ」で観客のゆりかごを心地よく揺さぶり、最終へバトンタッチ。新作『おせっかいカレンダー』が好評の加藤千晶は、子供と大人の間を彷徨う夢想遊園地へと誘ってくれた。客演のコルネットがヨレヨレ・スペシウム光線を放つ「よわいウルトラマン」。遊び疲れたら、チューバの響きが母体のように優しく包みこむ。黒板に描いた「らくがき線路」は青空へ登り、雲が煙を立てるようにピアノも快走。心踊る「迷子のステップ」は初恋のように弾んだ。そんな恋心を名曲「棒がいっぽん」で告白。旧友GUIROとの再会を懐かしむ彼女のMCが夕焼けの影を踏み、奏でるメロディーから郷愁がこぼれた。こんな楽しい夜は、誰か僕と一緒にラスト・ワルツを踊りませんか?i(長良川かっつん/ナガラガワ・トライアングル) ■11/21(月)遠藤賢司 いやあ、エンケン、感動した!結論から言うと、純音楽家は純人間なのだ!・・実は、生エンケン、初めてでして。ナニ!?てめえ、ど素人はすっ込んでろ!と馴染の方には言われそうですが、そこは、それ、エンケンも、映画、初監督なわけで!で、事ある毎に嬉しそうに映画の話してましたな。遠藤ミチロウが映画観て、ありがとうって言ってくれたとかね。観た側が作り手に礼を言うって凄い事だ。早く観て〜。エンケンは、人の心の中には、モノをつくりたい、表現したいという衝動があり、その気持ちが神なのだ。そして、それに常に向き合っている人がプロなのだ。というようなことを言っていた。すいません!心を入れ替えて頑張ります!思わず心の中で言った俺。創作はしたい。でも形にするのはツライ。だから何度もごまかして、よそ見する。でもエンケンは、黒目がちの瞳をくわっと開いて、ずっと対決し続けてきたのだな。不滅の男たる所以だ。ブラックジェットを歪ませ、ドラムを叩く姿は、自分の中の神と真剣勝負する侍だ。侍の宮沢賢治!エンケンって怒涛の印象だったが、初めて生でみて、すげー美しい歌が多いことに気がついた。なんか透明だし。いい音楽、いい魂に触れた、そんな貴重な夜となった。最後の「夢よ叫べ」には目頭沸騰。もう一度言おう、純音楽家は純人間なのだ!ほんとだよ。(尾関功次) ■11/25(金)HARCO/Ett HARCO puresents「KI・CO・E・RU?」を観ました。なんでもこの企画は、彼が好きなアーティスト一組と一緒にライブをし、ゆったりと二組の音楽を楽しんでもらおうというもの。第一回目は東京でキセルと一緒に行われたそうです。昨年観たHARCOのイメージは、一人でステージに出てきて、ピアノを弾きながら、時には何やら大きな懐かしい感じの器械でテニスをしているであろう音を流したりしながら、一人で堂々とステージを作り上げ、一曲一曲丁寧に歌い上げる姿が印象的でした。今回は二人メンバーを引き連れて、前回とは少し違ったステージ。ベースやコーラスが加わって、なんだか都会的になったというか。丁寧に歌い上げる姿や、キャッチーな曲は相変わらずのままに。個人的な収穫は、私が最近とても気になっていて、誰が歌っているのか知りたかった、あのCMソング「ぼくは知ってるよ、ちゃんと見てるよ、がんばってるきみのこと〜♪」が彼のものだったという発見!一曲目に披露してくれたとき、思わず声を上げそうになりました。そして彼が長い間一緒にライブをしたかったという、Ett。見る度、何かがパワーアップしている気がしました。同じ曲でも以前とは違った印象を受けたり。Ettのもっている温かみ優しさはかわらないまま。企画者の思惑通り、ゆったりと二組の音楽を満喫した夜でした。(osr→emi) ■11/27(日)ROVO TOUR 2005 ふと思った。彼らはひょっとして宇宙人なのではないだろうか?「得三発、ROVO経由、宇宙行き」この日のライブはまさにそんな感じだった。一曲目にして重力をもブッちぎる勢い。それを為し得ているのはやはり芳垣、岡部のジェット噴射の如きツインドラムである。そして大気圏を突破した所で浮遊するヴァイオリンとシンセの電子音。要所要所で全体を引き締めている山本精一のギター。最早身体は宇宙空間に投げ出されたかのような感覚である。人間は余りに巨大で理解を超えたものに直面すると感動と恐怖とがごちゃ混ぜになった状態になる。と、この時初めて体験する。特に本編最後の曲では、ステージ全面に投影されたドラッギーな映像も相まって、徐々に加速する演奏と共に、自己の身体感もタイム感も完全に喪失され、ただ踊りとも言えぬ動きをひたすらする自分がいた。アンコールを含め約2時間のROVOライブを体験してふと思ったのである。ひょっとして彼らは宇宙人なのではないかと。地球上の様々な音楽を一生懸命練習し、宇宙的な感覚で演奏しているのではないか。僕らにはそれが聴いたことがあるようで、体験したことのない音楽として新鮮に伝わってくるのだ。そういえば、ライブ中に彼らが発した言葉はカタコトで「ドーモ」と「アリガト」だけだったっけ。(川村浩司) ■12/2(金)柳原陽一郎[水谷浩章(b)外山明(ds)] ここにいる多くの人がそうだろう。僕もたま時代からの柳原陽一郎のリスナーである。なので、今日の「ふたたび名古屋」で彼に期待してしまうのは正直ノスタルジックな思い入れが大きい。ごめん、やなちゃん。僕はあの頃のあなたに逢いに来たのかも。だって今日はほとんどたま時代の曲をやるって言うじゃんか。12歳の時さよなら人類を聴いて、しばらく僕はあなたそのものになったつもりで生きてたくらいだ。だから、あなたがどんな風に自分を捉え成長させてきたのか、期待半分ドキドキなのさ。始まった。ああ、この声だ。少しも変わっていない、のんびりとした楽しい、時に精悍なポップな声。この魅力を活かしてくれていたことで、もうすべてOK。二曲目は名曲オリオンビールの唄。どこかで見た様な、産まれる前の風景のみたいな曲。サウンドは、たまとは大きく異なりジャズ風味。ベースレスだったりと、型にはまらない。最近作られたという楽曲は、やなちゃんの心情をそのまま描いたような、素直な詞が印象的。やなちゃんはビートルズのような、人々の生活の中に灯をともすようなポップスを作りたいんだろう。人間・柳原陽一郎の成長と、多くの人々にとっての宝物たま。いろんな思惑が交差する中、やなちゃんは自分にとっての「今」を誠実に選び続けてた。逢えてよかった。ありがとう。(真野文宏) |