■5/12(木)ハッチハッチェル&ビアオールスターズ
シノノメソラ

 まずは名だたるミュージシャンとのセッションでメキメキ腕を上げる、名古屋一の美女バイオリニスト率いるシノノメソラが登場。無国籍かつスリリングなインスト演奏で 、脳内は一気に地球のどこかへとトリップ状態。こんなに素晴らしい笑顔で楽しそうにバイオリンを弾く女性っていない(しかも酒豪)。見ているだけでこっちまで嬉しくなる。小柄な体全身を振り絞り、メロディを噴出する岡林嬢のクラリネットもかわいかったっす。そしていよいよハッチハッチェル&ビアオールスターズ。全員、これまた胡散臭いイタリアンなスーツ姿で登場。しかし、いざ演奏が始まるや、胡散臭さは最高のジャイブな音楽となって得三内の温度をぐ〜んとヒートアップさせていく。にせものカンツォーネ風の曲も現地語?で披露。カッコ悪くてカッコイイ謎のミュージシャン。ステージ中央でノリノリに踊りまくる、色眼鏡の陽気なペテン師風紳士(笑)ハッチの奇妙なアコーステック・スウィングの世界にぐんぐん引き込まれて、ビールのおかわりはとめどなく進んでしまうのであった。バイオリンを弾くハッチの他にも、メンバーはたこ社長などキャラ立ちまくり。楽しくメンバーをいじくりながらスウィングパーティは終盤へ。シノノメソラのメンバーも加わり場内はお祭り騒ぎに。また来てよねハッチ!(温泉太郎)
■5/21(土)近藤房之助 Fusanosuke & His B&O

 近藤房之助のライブを観るのは10年ぶりだった。得三のステージで日本のトップクラスの実力を持つメンバーで房之助がどんな演奏をするのか急に観たくなってライブに出かけた。開演前から酒も食事も会場全体で進んでいて良い雰囲気。房之助がステージに現れ、最初のMCで「メンバーで梅田屋で飲んできた」云々の文句を言ったとたん一気に客もリラックス、名古屋・今池のファンのつぼを知ってるなとちょっとうれしくなった。演奏もとにもかくにもリラックス。このバンド、もちろんすごくカッコいいのだが、なかなか魅力を語るのに一筋縄ではいかない。房之助=ブルースバンドという感じがするがそうではない魅力が強い、もっと普遍的なもの。メンバー全員ブルースなどルーツミュージックには造詣が深いと思うが、それだけのうまい・かっこいいではない魅力がある。それは日本の音楽シーンのトップで長年やってきたからなのかそれとも他に理由があるのか(例えばこれまでの人生とか…)。メンバー全員でブルースというテーマでステージ上で音遊びをしている、その遊びをお客さんにも見せてくれた、一緒にいるお客さんも楽しい気分になっちゃったという感じだった。いやあ、なかなかこうは出来ないな。こんな大人になりたいな、いや、なれないかもな…。(ロブスター山本賢介)
■5/25(水)M.J.Q.[遠藤ミチロウ+クハラカズユキ]

 ロック好きの元スコーレスタッフ、ボンちゃんに連れられて、何がなんだかわからず得三へ。「おもしろいっすよー」のちっちゃい”つ”がうさんくさいんだよなぁと思いつつ会場に入る。んっ?!若い子ばっかりだろうと思いきや、なになにしっかり大人もいるじゃないですか。何が始まるんだろう、と少しワクワク。ミシェル・ガン・エレファントのクハラカズユキ氏によって激しく叩き出されるドラムの音に、遠藤ミチロウ氏のギターと歌がのる。激しい音楽には似つかわしくないとも思える、あまりにも文学的で美しい日本語の詩。一見退廃的だが、生命力に満ち溢れた遠藤ミチロウの世界に引き込まれてゆく。「海辺のバナナ」という曲で、なんだかホッしてしまった。最新アルバムからの曲のようだ。それでもその中の詩は、小さく胸を刺す。”奇跡は小さなところにある”。アンコールまで一気に遠藤ワールドに引き込まれた私は、最後の曲でハタと気づいた。これが「刺激を受ける」ってことだ。”プロレタリアートは団結せよ”なんの予備知識もなしに音楽を聴くのは嫌いじゃない。むしろ好きである。しかし、ライブ後に「不覚じゃ」と久々に自らを責めた、刺激的ライブであった。(シネマスコーレ・李相美)
■5/30(月)国本武春with ラストフロンティア

 店内は立ち見も出るほどの超満員。比較的年配の客層が目立つ。浪曲師国本武春を見に来た人:7、ブルーグラスファン:3といったところ。そんななか、まずは三味線一本での浪曲弾き語りから始まった。「たっぷり!」「名調子!」「日本一!」などの掛け声をレクチャーしながらエネルギッシュに観客をぐいぐい巻き込んでいく。“浪曲師”というかたい呼びかたよりは“三味線漫談”といったほうがふさわしいかも。もちろん浪曲も「たっぷり」。休憩をはさんで、第2部はブルーグラスバンド「ラストフロンティア」のメンバーとともに登場。ブルーグラスと三味線。長年、ブルーグラスを聞き、演奏してきたけれど、この組み合わせを聞くのは初めて。しかし、日本古来の伝統的な三味線の音が、アメリカ音楽のルーツであるブルーグラス音楽とこんなにマッチし、新鮮に聞こえるとは。曲によって三味線にカポタストをつけて弾くのが国本流。ドライブ感あふれるトラディショナルなナンバーからオリジナル曲までバラエティに富み、観客もノリノリ。中にはカラ騒ぎだけのうるさい客がいたが、それを軽くいなす国本。それがまたウケていた。アンコールも3回かかり、大盛り上がりのなか終演。“浪曲師”国本武春を目当てにきた客の何人くらいがブルーグラスに興味をもっただろうか、と思いながら店をあとにした。(松井大造)
■5/31(火)あふりらんぽ/ガイユニット
Acid Mothers Temple & The Cosmic Inferno

 平日というのに満員スタンディングのお客にまず降りかかるはガイ・ユニットの騒乱。オープニングが即フィナーレであるかのような刹那さに心地よく身をゆだねる。昨年に続きエロリストリカに、今宵、巫女サトルが交わる。舞踏もまたガイ・ユニットでは馴染んだインプロであり、加えてあふりらんぽのお二方やら絶叫詩人やら予告どおり津山篤Dsやら、フロアへ溢れ出るメンバーを尻目に、さてガイさんはどこかとステージ上を探してみれば中央奥、もはやギターを手放してにこにことシンセと戯れている姿を発見、もQさん追悼ライヴだったと気がつく。先ほどのダンサー陣は後続のAMTにもあふりらんぽにも参入を果たし、あたかも開演から終演までガイ・ユニットを観ていたと言っても失礼ではなかろう、名古屋Tokuzoでしか観ることのできない一大絵巻か。AMT&TCIは名古屋初お目見えだが、急遽、津山篤を迎えて特別編成、ダブルDsに加えツインgtを披露する。メジャーデビュー直後のあふりらんぽ、どっこい、決して自らをなぞるようなこともなく身振り手振りすべて輝いていて今宵トリも頷ける。10時をまわったアンコール要請に河端一らも登場、「じゃアカペラで」と洒落る。終演後にやっとドリンクチケットと交換したビールは夢の余韻。次回は年末のAMT祭りで再会を。(高山 学)