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■ 4/15(日)アナム&マキ/e-ha?/ムッシュかまやつ 巷ではベッカム様だ、ヨン様だと騒がしいが、僕にとっては何といってもムッシュ様なのである。そのムッシュがかわいい娘たちを連れてツアーを行うという。これは行かずにいられない、そうマチガイナイってことで得三へ。開演までには時間があるというのにほぼ満席状態。あたふたと席に着き、乾杯。するとカウンターにひょこひょことムッシュ登場!ワイン片手にみんなと一緒に写真を取っている。スリムなパンツにNYヤンキースのニット帽、おしゃれな眼鏡。なんてオンリーワンなムッシュ。そのままステージへ流れ込み、「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」。思わず、僕はゴロワーズに火をつける。そして、娘たちの登場。アナム&マキ、言ってみればギターを抱えたパフィーってところだろうか。続いては、e-ha?、カッコいい3ピースの女の子バンド。ふとカウンターに目をやれば、娘たちを見守るお父さんムッシュの姿。再びステージに呼び込まれ、ヒストリーオブムッシュナンバーの嵐。ところどころ歌詞があやふや、コードがあやふや。このゆるゆる感がたまらく気持ちいい。最後は、娘たちと一緒に「バン・バン・バン」の大セッション。何てカッコいいムッシュ、そしてかわいい娘たち。この夜一番楽しんでいたのはムッシュ本人だったのではないだろうか、満足、満足。(浅井悦嗣) ■4/21(水)Geoff Mulder's Jug Band Trio 「ああ、そうそう此処、覚えてる。やはり良い店だなあ!」と言いながらジェフはTOKUZOの店内を懐かしそうに眺めながら入って来た。ゲイトマウス・ブラウンのポスターを見つけるなりジェフは敬愛の表情になり、ゲイトマウスの音楽性についてフリッツやトニーと的確に話し始めた。ジェフは今までのキャリアをステージで遺憾なく披露してくれた。サウンド・チェックの時に良く「カンペキ!」と日本語でジョークを言っていたけど、正にジェフのステージはパーフェクトだった。アメリカン・ルーツ・ミュージックを初来日当時・4半世紀前より更に吟味して、聞くものを包み込むように余す事無く展開してくれた。もうイントロだけでトロケルような豊かな純度であった。彼は自分のペースで十全に力量を発揮して焦点を絞り込んだ音楽を娯楽として自らの住まいを見つけているようだった。ジェフのライヴの1ヶ月前に彼が若い頃ジャグ・バンドを始めたマサチューセッツ州ケンブリッジに居て、リベラルな土地柄から誰にも縛られない者同士が力を合わせて音楽を煮詰めていく彼らの心意気を感じていたが、その鉱脈をも確認出来たステージだった。血となり肉となった音楽がジェフを支え、何より今の自然体で潔いジェフが一番良い!また近いうちに歌を聞かせてと伝えると軽く頷いてくれた。(細G) ■4/22(木)Os Cinco no Choro〜リオ・デ・ジャネイロの仲間たち〜 ブラジル音楽といえばボサノバ?サンバ?でも,ショーロを忘れちゃいけません.今,ショーロはブラジル音楽の新たなブームなんです? 昨年10月にショーロクラブの笹子さん,秋岡さんと共に初めて得三にやってきた熊本さんは新進気鋭のフルート奏者のショローナ.今回は熊本さんも所属するACARIレーベルから人気奏者が来日し,彼女と共にリオから最新のショーロを届けてくれた.前回は熊本さん自身を紹介するライブ,今回は熊本さんが心底愛してやまない本物のショーロを紹介するライブ.だから今回は何よりステージの上の熊本さんが一番嬉しそう.「私がハマッタのはこれなのよ!」とその魅力をグイグイ見せつけてくれました.喜びに溢れる熊本さんの演奏はもちろん,彼女が敬愛してやまないギターのマウリシオはちょっぴりオデコは広いものの,弾いてナンボの職人芸を余すところなく披露.その横でアネゴ肌(?)ルシアナはカバキーニョを弾き倒し,陽気なペドロもバンドリンを掻きむしる.セルシーニョは気さくなおじさん風でありながら,パンデイロを叩けば赤子も泣きやむゴキゲンリズムのオンパレード.リオでもきっとなかなか観られないであろう,この豪華キャストの素晴らしい演奏に森田さんが目を回したのも無理はない.その夜,得三は確実にブラジルのリオにあった.(Dr.兼松) ■4/24(土)近藤房之助 & His B&O この日、店内に入るとさすがに満員。座る席ナシ。店員さんのご好意でカウンター脇の通路にイスを設置していただき、腰を下ろしました。さあいよいよ開演、お客さんたちのワクワク感が伝わってくる、スペシャルな夜の始まりです。のっけから圧倒されたのはドラム&ベースのグルーヴ。「バンド」って、ブルースってこうだったんだぁ。それを目の前で見て聴いてる驚き、胸がじーんとなります。機関車みたいにグイグイ走ってく。そこへ房之助さんの、うんと高いとこに舞い上がるあの歌声、歪んだ音に豪快なビブラートをきかせた、でもとても緻密な感じのするギターソロ。サイドギターにキーボードも加わってすごい熱気。切れ目なく続いていく曲から曲、どこまでも連れていかれそう。“ME”が大好きです。“青い影”も。それから正木さんがドラム叩きながら歌う“LOVE OF MINE”は楽しかった。「バンド」って、ブルースっていい。うまい言葉が見つからないんだけど、ほんとにいい。そんな気持ちが沁みてきて幾日もあとをひくような、熱くて清々しいライブでした。そして房之助さんのお店「STOMP」開店20周年の今年、5月3〜4日に開かれた記念ライブ、私もお邪魔して演奏しましたが、何から何まですっかりお世話になりました。大好きな房之助先輩のあったかい人柄に触れることのできた素晴らしい夜だったことも合わせて書いておきたいと思います。(Queen Bee ケイコ) ■4/26(月)Billy Bang[羽野昌二・松本健一・立花秀輝・加藤雅史] まず羽野昌二とビリーのフリー・インプロヴィゼーションが20分ほど呈示される。近年ロック畑での活躍が目立つ羽野は今宵も好調だ。ところが、このままバトルに終始するだろうという当方の予想は外れ、以降ゲスト・ミュージシャンを加えて楽曲をレパートリーとし、ロック、ファンク、スタンダードと一曲ごとにスタイルを変えていった。飲み屋Tokuzo向けのラウンジ・ミュージックを披露するつもりなのか。いやこの何でもあり演奏が白眉であった。ビリーのバイオリンは時折ピチカートを交えるも衒いのない奏法でよく鳴っていた。このエモーショナルな音色に私は聞き惚れてしまった。特筆すべきは地元のベーシスト加藤で、ビリーや羽野に対して機敏に応酬し、バッキングに収まることなく躍動感を与えていた。スタンダードナンバーを舞台 にしても豊かな即興は可能なのだ。時に一部のリスナーは、一億総マニア化の時代、うんちくに左右されずアーティストの持ち味をストレートに体感するのは、ライヴという手段を持ってしても困難が付きまとう。だが今宵ビリーは古びたフリージャズ事典の一項目から抜け出し、素晴らしくも孤高のバイオリニストとして記憶される機会を得た。羽野昌二という最適の紹介者そしてTokuzoという無差別級のハコ無しでは実現しなかった、一期一会である。(高山 学) |