■8/1(金)三味線やそすけ・籐舎呂凰

 「納涼、三味線ライブ」〜かぶき・お化け音楽大全〜というタイトル通り、日本の物語の中からお化けが出てくる場面を三味線や鳴物を聴きながら納涼する、という夏の夜にふさわしいライブ。日本のお化けはおどろおどろしい。いったいどんなライブになるのかドキドキしながらTOKUZOに向かう。ステージにはやそすけさんが座るであろうイスと隣に鳴り物関係のセッティング、その間になぜか血を流したフランケンシュタインの被り物、手錠…ハテ、今日は何のライブだったかしらと疑問に思っているところに、キラキラ光る白の着物?を着たやそすけさんと、白衣にサングラス、顔面マスク(13日の金曜日風!)を被った鳴り物の籐舎呂凰さんが登場。そのまま低いトーンでボソボソと物語を語りながらライブがはじまった。さすがやそすけさん!切れのある三味線の音色に体中の血が一斉に騒ぎ出すような感覚に囚われながら、気になるのは籐舎呂凰さんのマスク…掛け声はどうするのだろうか…と、曲の途中おもむろにマスクをはずし「イヨー」ポン!と気持ちのいい掛け声と鼓の音がはじけ興奮は絶頂に。やそすけさんの三味線の音はとてもよく響き存在感がある。それに籐舎呂凰さんのお囃子が絶妙なタイミングで絡み合う。お二人の演奏はJAZZのような緊張感があり楽しい。演奏が終わったあと全身の力が抜けるほど聴くほうも本気になる演奏だった。(山本理恵)
■8/9(土)Dr.Tosh?・知久寿焼

Dr.Tosh?(ex ボ・ガンボス、現アクア・ボム)の部屋(得三)に知久君が遊びに来ていろんな部屋に案内してくれちゃいました!まず、Dr.Tosh?登場!たまのファンの人は長身の宇宙人にビックリしたのか、少し緊張気味〜それを打ち込みにベース弾き語りスタイルでゆったり伸びのある声で“ようこそ〜ようこそ〜”と招き入れ、嘘のような本当にあったお話と心地いいベースでほぐしながら、いつの間にか部屋に引き込んでふんわり包み、音で空間を持ち上げてゆく〜さすがフェスタマン! サイケデリック絵本の世界。次に知久君のソロ。歌の凄いこと!凄いこと!独特の唄い方なのだが、胸にその言葉の1つ1つ語尾までもが、入ってくるのである。言葉の印象が尾を引きながら、次の言葉がその上にかぶさってゆく。すべてしっかりと不思議な詩の世界へ〜。これまた上手ギターやウクレレを使い転がす様に、どんどん奥の奥へと引き込んで、気がついたら、全く違うお部屋に!どんとの唄を何曲か歌っていたのだが、自分の曲のように消化して歌う、こんなん初めてである!!どんともあっちの世界で大喜びしているだろう。このまったく違う二人のサイケなお部屋〜来年も蝉の鳴く頃やって来る?不思議なお部屋に遊びにおいで〜2人が扉の向こうで待ってます。(TARO)
■8/10(日)酒井俊 with 四丁目ばんど

 俊さんに出逢ったのは、わずか一年ちょっと前、四丁目ばんどのメンバーである、敬愛してやまない魂のバイオリン弾き太田恵資氏を通してであった。初めて彼女の歌声を聴いたときからその豊かな表現力と奥行きの深い歌声の虜になってしまった。何回聴いてもイマジネーションがふくらんで、なぜだか涙が出てくる。ドラマティックな「ヨイトマケの唄」(なぜか私はこの唄が好き)切ない女心を歌った「My man」オリジナルのソウルフラワーユニオンとはひと味違う「満月の夕」‥‥ジャズのスタンダードはもとより、彼女の手にかかるとジャンルを越えて全くオリジナルな楽曲となる。又、共演するミュージシャンによっても全く違った世界を繰り広げてくれる。 四丁目ばんどは、体中を軽やかに駆け抜ける黒田京子氏のピアノ、おなかの底にど〜んと落ちて関島岳郎氏のチューバやリコーダー、そして、太田恵資氏の語りかけるように繊細で、自由で、七色に変わる豊かなバイオリンとエキゾチックなVoice‥‥。まさに俊さんの魅力を十二分に引き立てるのにふさわしい、個性豊かで豪華なメンバーだ。俊さんの限りなく伸びやかで自由で包容力に満ちた力のある歌声は、多くの人の魂を揺さぶり「色々あるけど生きていこうかな‥‥」なんていう力を、笑顔とともに、ひとりひとりに届けてくれたのではないだろうか。(CHIKA)
■8/11(月)「New Blues Power」

 この日のライブを観ました。実はホトケさんのライブ、まだ数えるくらいしか観たことないんですけど、曲を選ぶセンスがとても良いと思いました。ブルースの曲はもちろんだけど、それ以外でも良い曲だなと思う曲が沢山ありました。そしてステージングぐって言うのかな、観ていてとてもかっちょいいんです。それをサポートする木下さんのギター。これがまた気持ち良いのなんのって。歌心のあるギタリストって感じがいつもあるんですよね。でもこの日はついついステージに向かって右側を観てしまうのでした。そう、藤倉君や小川君。なんかギター弾くのが、ライブやるのが楽しくてしかたがないってのがすごい伝わってきました。こっちも楽しい。藤倉君はちゃんと他の人の音も聴いていて、時にはバンド全体を仕切ったりして。別に若い男の子が好きってわけじゃないけど、ほんとついつい目が向いてしまうのでした。ホトケさんと二人でやってるときも、おっ、かっこいいがや、と思うところや、ホント10代なの?と思うところがありました。一年後観ると藤倉君や小川君はもっと成長するんだろなと思いました。ぼくも、もっと成長しなくちゃと思いました。“Age ain't nothing but a number”って言うのを感じました。(田村学)
■8/20(水)ドラジュビス/谷口“マルタ”正明
       LOZI/PHIRIP

前衛性と幼児性の混交。それが、ドラジュビスのライブから受けた衝撃を要約する、最も端的な言葉だろう。フランスやイギリス、ハンガリーなどの古い童謡を、パンクやノイズ、テクノといったアレンジで聴かせるのだが、まずその衣装を含めたキャラクターの強烈さに度肝を抜かれる。ヴォーカルのローは容姿も声もどこか少女的だが、それに加えてピンク色のキリンという衣装である。キーボードのレオは全身を銀色に包んだロボットという姿。ドラムスやサンプリングなどを担当したフランクは、つなぎの様な衣装を着て、曲の合間に電子的に変換した声で短いトークを挟んだりする。そのまま幼児教育番組にも出演できそうな格好で童謡を歌うわけだが、単にロック調の格好良さというのではなく、ノイズ、テクノを駆使してアヴァンギャルドな世界へと突入してしまっている。鳥取の米子から京都を経て、東京へと至る日本ツアーのちょうど中間で、この日の名古屋でのライブも実現したのだが、ゲストとして彼らの前に登場した、PHIRIPの同じ言葉を繰り返すうちに違う言葉になってしまうとか、唐突に絶叫したり、自作のマンガをデタラメに翻訳するヴォーカルも、LOZIのミシンという機械を使った演奏、谷口'マルタ'正明のギターの弾き語りにも、感覚的に近いものがある。ダダなど1920年代のアヴァンギャルドの舞台も似た感じだったろうかと、不意に想起させたりした夜だった。(越後谷卓司)