■3/4(火)グラーダ

 アイルランドからフレッシュな新人バンド「グラーダ」がやってきた。今日が初来日のファーストステージということもあり、さすがにちょっと固い感じがしたが、ルナサばりの気合いとスピード感あふれるアイリッシュチューンに心うきうき。野球帽を逆にかぶった悪ガキキャラのフルーティスト、アランのひょうきんな名古屋弁?MCで場が和むと会場は次第に「グラーダ」のペースに引き込まれていく。一曲ごとに入るMCとメンバーのやり取りをみているとまさに大学生の乗り?で彼たち自身がステージを楽しんでいるようだ。演奏にもだんだん脂がのってきてダブルベース、ギター、バウロン(アイルランドのパーカッシ?ン)のリズム隊にフィドル、フルートが絡むハイテンションなサウンドはまさに僕好み、いや日本人好みのアイリッシュだ。カッコイイ!そして忘れてはいけないのがアンのボーカル。彼女の可憐な歌は聴いていると胸がキュンとなる、、、そんな素晴らしいヴォーカリスト、アンの歌に釘付けになったファンも多いのではないか。休憩をはさんだセカンドステージも大いに盛り上がり、3回のアンコールに応えて幕を閉じた。まだまだ荒削りだがベテランバンドにないひたむきな演奏が一番の魅力だ。突然現れた面白い新人バンドにエールを送り、グラーダはフレッシュな演奏でそれに応えてくれた、、、そんな心地よい一晩だった。(ROUGH BRUNCH 鳥谷竜司)
■3/11(火)Coil

 今回はCOIL 3rdCD発売記念ライブ。「最近のCOILは一段とイイよ」という評判を聞いていたこともあり、期待感をもってライブに臨みました。前半・後半・アンコール、いずれも曲順と構成には工夫が感じられ、ファンにとっては満足行くものでした。個人的には後半の2曲目“Zero Gravity”(CDでは6曲目)、ライブ前に聴き込んでいた段階で特に注目していた曲で(CDでもかなりイイ感じでしたが)、ライブではイントロのあとのガツ〜ン!という瞬間に戦慄が走って、今でも思い出すことができるほど・・・。そしてライブではいつも涙してしまう“Land”、今回も感動ものでした。最後アンコールの際、いつもオモシロイのは鬼怒さんの第一声。これは語録ができるぐらいだと思っていますが、今回はフロアからの拍手が続くなか「これ以上、緊張感に耐え切れず出てきてしまいました」というフレーズでした。鬼怒さんって、感じた気持ちを正直にそのまま言葉にされるんですね。そして田中さん、やっぱりドラマーは若くて元気なじゃないとね!という個人的なモットーを見事に満足させてくれました(着ていたTシャツの猫が彼にソックリで可愛かったデス)。最後にベーシストの早川さん、今回も我々にオトナのオンガクをガツン!と教えてくれました(「HAYAKAWA」の新作を今年後半にリリースすべく準備中だそうです)。(清水智子)
■3/18(火)大工哲弘&HORAI UNIT
 ステージは新作CD「蓬莱行」に参加した10人編成の大所帯。しかし、まず驚かされたのが大工さんの声そのものだ。聞く者の肩の力をスルスル抜いていくこの開放感はなんだ!やる気のないようにも見える(実際、後半は早く終わって酒を飲みたそうだった)自然体の歌い方だが、その空気の波動が心地よく耳に届く。これぞ海の向こうの桃源郷の魔力なのか。沖縄の島唄だけでなく、台湾の唄やハワイの日系人の流行歌までを唄い、その内容はまさに環パシフィック音楽の集大成という雰囲気。ほかにも島崎藤村の「椰子の実」や、京都のフォークシンガーの曲、「おれの声が聞こえるか」と繰り返すパンタの名曲「つれなのふいや」など、取り上げる曲のジャンルの幅広さは留まるところなし。圧巻はミルトン・ナシメントの曲を日本語で歌った「トラベシア」だ。言葉のひとつひとつが心にしみて、言いようのない幸福感に包まれていく。しかもどの曲にも沖縄の苦渋に満ちた移民の歴史や政治、アイデンティティー確立の問題などが見え隠れしているという奥の深さ…。ライブの途中、大工さんの言っていた「沖縄の人は月を大切にします。今は満月、こういうときに人間というものはなにかワサワサするもんです」という言葉が印象に残った。それから間もなくしてアメリカがイラクに侵攻した。(温泉太郎)
■3/22(土)快楽亭ブラックの今池まっくろけっ!

 開演時刻が近づくにつれ、続々と詰めかける老若男女善男善女。予想していた客層とは違います。おお、こんなにファン層が広いのか。いや、途中で憤然と席を立つ、ビールをぶっかける、ゲップをする、などなど大変なことになりはしないか、客の私が気をもみます。ざっと見渡したところロンドンの反戦デモなみの1万人くらいかね、と尋ねると120名満員御礼とのこと。

 さて、大量破壊兵器ブラック師匠登場。一本目の「英国密航」は、まずは軽く毒気に免疫をつけるための注射という感じ。「イメクラ5人廻し」では、カップルのお客さんの男性の方が、女性の顔色をチラチラとうかがうのがみられます。「米国人顔なのに英語が出来ない」のを自虐的ネタにした「タイムヌードル」では師匠の息子クンが特別出演。時事・お下劣・芸能ネタ等々の毒にまみれた高座に一瞬のなごやかさ。
 ゲストの元気いいぞう氏、ブラック師匠のお気に入りと言うだけあって、もっさりした風貌とは裏腹に過激。お客を喜ばせようとという一心で、自家中毒的にのめりこんでゆくサービス精神。伏し目がちに、しきりに反省しながら飲む姿は、とんでもないコトや、あきれるようなコトを口走っているとは思えないシャイなイイ人。

 ピー音にも伏せ字にも邪魔されないアンダーグラウンドな一夜でした。(タカハシ)
■3/26(水)ROMANTICA 田中倫明

 Romannticaのアルバムは発売直後に通販にて購入済みであったので、「あの世界がTOKUZOで繰り広げられるのか」と期待に胸膨らませ、いち早くチケットを購入。そして臨んだライブ当日、ドアを開けた瞬間、自分の中の時間の流れが明らかに変わった。どこか異国に紛れ込んでしまったかのように思えた。森に中だったり、南の島だったり、はたまたNYだったり。そう、ミチアキーノワールドである。前半のFANTASMALはステージに釘付けになった。それぞれの楽器の持つありとあらゆる「音」が、森に迷い込んだ人間に興味津々なキジムナーそのものに感じられた。倫明さんの朴訥なMCも、独特な世界観が広がっている感じがした。(私もUFOを観たことがあるので倫明さんの気持ちはとてもよくわかる)。このライブではもうひとつ期待していたことがあった。倫明さんのパーカッションと沼澤さんのドラムの絡みだ。一番強烈だったのが後半のモンカダだった。誰かが「本当に凄い演奏を見た時には、唖然と立ち尽くし、言葉が出なくなる」と言っていたが、まさしくそれだった。「モンカダ・アタック」というy歴史的事実そのもの。だが、この演奏は失敗とは対極にある物だ。奇襲をかけたのは沼澤さんなのか、はたまた倫明さんなのか・・。このライブを見なかった人は確実に損をしていると思う。また観たいと思わせるライブだった。是非またTOKUZOに来て欲しいものである。(戸松)