■11/8(金)桑山哲也
 11月8日桑山さんのライブ。いよいよやってきた。ラジオで聞いた音のイメージを浮かべながら得三へとむかった。す、すごい!1曲目から目がテン!100以上のボタンと13Kgある楽器を操り、人間離れしたテクと感性にただただ見入ってしまった。桑山さん自身はもちろんバンドもかっこええ。桑山さんがジャジャ馬になろうと、囁くように奏でようと、それに応える音が溢れてた。アコーディオン界の貴公子(私が命名)は、やんちゃな時代もあったらしく波瀾万丈一本くらいのトークあり、楽器講座もはさみつつ、ボサ・ピアソラ・ミュゼット・オリジナルを演奏。ミュゼットと父を想って書いた曲がヨカッタ。老人と少女の恋、熟年の恋、初恋とか、生と死など映像や匂いが伝わってきた。桑山さんはどんな人かな?ライブ中盤でアコー
ディナーの登場!初めて聞いたのだけど素朴でストレートでかわゆい感じ。苦しそうだったけど。アンコールではアコーディオン独奏曲もあり、かなりお腹いっぱい! あっという間に時は経ち、桑山さん一行はベローズラバーズ名古屋組を増殖させつつ、名古屋の闇へ消えてゆきました。VIVA蛇腹楽器!ということで飲み直しました。(中里かおり)
■11/9(土)10(日)ペヨトル☆CALLING2002 in NAGOYA
 『ペヨトル鍋』:盛りだくさんにして味わいあり。季節がら鍋を想像するようなイベントだった。様々な具をみんなでワイワイつついて楽しむ感じ。ひときわ印象的だったのは灰野敬二氏。姫カット・ヘアーにサングラス黒尽くめの衣装に持ち手が銀の杖という姿も然ることながらやはりそのパフォーマンス。押さえ所の要を得、サンプリングされ増殖した慟哭のような声。叫びもまた彼流に洗練されており。 どんな楽器を使っても灰野色になるだろうと感じさせる個性の強さ。それが小沢靖氏のベースと滲むようにしっとりとなじんでいる。sax奏者・梅津和時氏のフレキシブルさにもびっくり。小林嵯峨氏の踊りとデュオ時はしっとりダークなおもしろ音だったが、相手が宍戸幸司氏の歌とギターになると情感たっぷりの哀愁ある音色になった。トーク部ではほんわか飄々とした美術家・藤本由紀夫氏の展覧会『美術館の遠足』ビデオにわくわくし、劇団『少年王者館』主催の天野天街氏の言葉へのこだわりがおもしろく。詩人・桑原滝弥氏と松本きりり氏はそれぞれにまったく異なったリーディングでどちらも強烈。そして前半部における若者出世コーナーも色の違った出演者と内容でなごやかに楽しみつつ。各日5時間と長いイベントにも関わらず友人宅で囲む鍋が楽しくあっというまのごとくだった。来場者も実に様々。帰り道はペヨトル工房とその主催者だった今野裕一氏の視点の広さがある本作りに思いを馳せられた。(林緑子)
■11/21(木)ふちがみとふなとカルテット
 前回のライブの直後からこの日のライブを楽しみにしていた。当日は朝からワクワク度が心のメーターを振り切っていた。『ふちがみとふなと』のライブ前はいつもこうである。『ふちがみとふなと』のライブは何度か見ているが、『ふちがみとふなとカルテット』は初体験。先輩ファンにもカルテットは初めてという人がいたので驚いた。それだけ貴重なライブということだ。リラックスとほどよい刺激の中にどっぷりと浸かれる。ふちふな温泉である。効能は日々の蓄積されたストレス発散と脳ミソのマッサージ効果などなど。ふちがみさんの「クソッタレー!!やってみろー!!」を聴くと本当にスカッとする。ふなとさんのいつものココチヨイベースの音に加えて千野さんのなめらかでキラキラとしたピアノ、大熊さんのクラリネット(二刀流には驚いた)と、二人のときとはまた違った楽しみ方ができた。楽しくおもしろいうた、せつない歌、歌詞に登場する人々も身近にいるような感じで思わず歌詞を聞き入ってしまうものばかり。『ふくよかな女』のように歌詞が「ふくよかな女、よくふかな女」だけでもやっぱりこれも聴入ってしまう。『ふちがみとふなと』は何が魅力的かというと感じるもの全てがそうなのだ。ライブを体験した人ならば解るはず。この日も体験した人、したい人で得三はいっぱいだった。(ちどり)
■11/25(月)NRBQ with Whole Wheat Horns
 NRBQ。不勉強な僕はこの日までその存在にまつわる伝説めいた文言のみを知るに留まっていました。-New Rhythm&Blues Quartet-今までなぜかその四つの頭文字を手に取り耳にする機会が無かったのですが、これを期にとTOKUZOへ。メンバー4人に“Whole Wheat Horns”を加えた6人がステージに出ると、セッション風に何の気負いもなくライブはスタート。しっとりとした感じから徐々に?と思いきや4曲目のアップテンポなR&Rで早くもこの日1回目の熱狂!-上手奥に設えた雛壇からsaxのKlem Klimekが客席のダンシングガールめがけて猪突猛進、そしてそれをkeyのTerry Adamsが引き戻す-この光景は攻守を入れ代えつつ何度も見られたのでした。この編成でのライブは本国アメリカでも垂涎モノらしいのですが確かにそれも頷ける!途中ビートルズのカヴァーなどを挟みつつ約二時間、楽しいの一言。結成35年、年間ライブ200本ともなれば曲順表なんてなくても、誰かがちょっと弾いて“せーの”のカウントでバンドは転がり出す、そんな「隙だらけの完璧さ」と「年季の入った若さ」をたたえたアメリカの良心はいつまでもNewであり続けることでしょう。(リバーヴス 板屋貴司)
■11/27(水)姜泰煥(reeds)+沢田穣治(b)+大島輝之(g)
 姜泰煥、沢田穣治、大島輝之(以下敬称略)ソロ、デュオ、そしてトリオという形式でのライブであった。循環呼吸とマルチフォニックを駆使して、ねじれた独自の音を持つカンは、いつものようにあぐらスタイルで、ステージごと自分のサックスの一部にしてしまう。もはや韓国というよりアジアの宝である。沢田はショーロクラブの一員であり、現代音楽の作曲家、アレンジャーとしても多忙な人、しかし今夜はあの「架空線上の音楽」で90年代半ばに日本のアングラ界を震撼させた沢田として8弦Ele.ベースとテープ、MDのコラージュで登場。二人の大御所に挟まれた大島は僕がここ2,3年東京で注目しているエフェクト・ギター・プレイヤーである、彼の音はとても現代的で、冷静であり美しい。この三人おのおのが独自の美意識で、妥協なしに音を作るところが似ている。カンのハイトーンなのか、大島のフィードバックなのか、沢田のコラージュなのか大島のエフェクトなのか判断しがたい(こんなことはどうでもいいことだが)心地よい瞬間が、何度も有った、こういう共演はとてもスリリングで大好きだ。これはみごとに各々の世界が溶け合っている証拠ではなかろうか?。後で聞いたら2セット目は予定時間より25分オーバーの熱演だったそうです。狂おしいまでに自分であり続ける3人の美しい夜だった。(鈴木茂流)