11/1(水)J&B:梶原順、ブッチャー浅野、松原秀樹、沼沢尚という、指折りの売れっ子ミュージシャンが、自分達の好きな音楽をやるために集まったこのバンド。またしても歌ものの新曲があって楽しい晩でした。梶原さんの「高校の時にこんなバンドがやりたいと思っていた。」という発言に、心意気を感じました。
初めてエレキギターを買って、弾けもしないのに一日中ギターを触っていた、あのときのテンションをもう一度取り戻したいと思うのが正しいミュージシャンのあり方なのだ。

 11/2(木)ソン・レイナス:女の子ばかりのサルサバンド。なんだぁ、色物か・・・と甘く見てはいけません。なかなかどうして、ゴキゲンなラテン・エンターティメントを展開するぞ!日本人なら誰でも知ってるポピュラーな曲のラテンアレンジによるカバーから本格的サルサまで、実に飽きさせないステージを展開します。相当な練習量なんだろうなぁ。頭がさがります。

 1/3(金)TOKUZOを遅あけにして「jazz inn LOVELY 30周年記念コンサート」を見に行く。:ヒノテル、菊池雅章、ナベサダ、綾戸智絵、ケイコリー、房之助、森山威男4、渋谷穀オーケストラ、坂田明、そしてモリケンさんや和田直さんを始めとする名古屋在住のミュージシャン達。メンツを挙げただけでも、その辺のジャズフェス二つ分くらいの豪華さだ。それは30年という歴史が、ただ長い時間がたったというだけではない事の証明である。
本来イヴェントというのは、ある必然性のもとに色んな人が集まって行われる物の筈だ。今行われているイヴェントの殆どはイヴェントの為のイヴェントで、なにやら有り難みといったものが無いのであるが、このコンサートには、やっぱりちゃんとした必然性を感じてしまった。それは、参加したミュージシャン全員の気持ちがラブリーというお店と、そこのマスターにちゃんと向いていた事で証明されている。こんな事をやられてしまっては三周年とか五周年とかしょうもないことおいそれと出来ません。まずいものを見てしまった。はやく忘れよう!

 11/4(土)ジョン・レンボーンにつきた。オールドファンには懐かしいペンタングルのギタリストなのだが、噂に違わぬ達人で、なにをどういう風に弾いているのか判らないのだが、素晴らしくうつくしいギター     を聴かせてくれる。前の方で、必死になって運指板を見ていた人たちは、何か参考になったのだろうか。早めに無駄な抵抗は諦めて、音楽に身を任せちゃった方が幸せだったように思うがなぁ。

 11/5(日)RonRuins:「ロンルインズはルインズ+ゲストとは異なるコンセプトを持つパーマネント・グループである。」という河端氏のコメント通り、ガッチリとしたバンドを感じさせる演奏で、セッションっぽさは殆どない。楽屋にリズム譜を忘れていったので見てたんですが、あの複雑なフレーズが次々と出てくるガチガチの曲を一回や二回のリハーサルで何でモノに出来るのか、僕のような人間には全くの謎。さすがに手慣れたルインズの曲程こなれてはいなかったけど、持ち前の思いっきりの良さで一直線にズバッと聴かせてくれました。

 11/6(月)李政美(い・じょんみ):昔からの友人で、元暴走族だった奴が、大柄の寿司屋の娘とつき合っていたときに「体の大きい女は優しい」と言っていたのを、今思い出しましたが、李さんは大きい人です。朝鮮の民謡などもやるのだが、発声も節回しもことさら朝鮮っぽくなくて、とても素直。朝鮮や沖縄の音階に洋楽の和音を乗っけたときに、よく安易さを感じてしまったり、逆に懲りすぎていやらしかったりするのだが、バックの佐久間順平さん(g.)とハルマゲンさん(pf)は、その辺のバランスとセンスが非常に良い。異文化へのリスペクトと自分のバックボーン、両方が見える感じで好感を持ちました。そんなよいスタッフが、ちゃんと愛のある仕事を提供しているということは、李さんはやっぱり優しくて魅力的なんでしょう。

 11/8(水)ボントンルレ:今回はゲストに湊雅史(ds)と橋本じゅん(g.)が付いた豪華版。ボントン風ニューオリンズ・ファンクやロックンロールは楽しさ倍増です。新曲もあり、僕の好きな、洪水でみんな流されていって白い骨となってしまう歌もあり、最後は名曲「バーテンダーロック」で締めてくれました。あとはガブガブ酒を飲んで、何がおかしかったのかさっぱり覚えはないけれどなにやら大笑いして、倒れるほど酔っぱらっておしまいの、いつものパターンでジ・エンド。ふぅ・・・。

 11/9(木)KYAは関西からのバンド。前回はナガオクミさんという女性ヴォーカルと一緒だったが、今回はKey. Ds B の三人での登場。フリーでもノイズでもない、空間を感じさせるインプロビゼーションを聴かせる。あまり他で聴いたことのない感触の音楽で 、志の高さを感じる。まだまだ手探りの部分も多そうだが頑張ってください。終わった後一緒に呑んで色々話をしたので、次回聴いたら、もう少し僕にもその音楽の正体が見えてくるかも・・・。楽しみにしています。

 11/10(金)サンズ・オブ・ブルース:イチロー(vo.g.)ジョニー吉長(vo.ds)松浦善博(g.)鮫島秀樹(b.)による
生きのいい本格派ブルーズロックバンド。前回よりもバンドっぽくなって、このメンツが集まればこうゆう風になるだろう、とゆう範囲を超えた演奏を展開した。ライブでCDを作るそうで、やる気満々。勢いのあるイチロー氏と、大人のロックを感じさせるジョニーさんの色っぽい唄の二本立てでいいバンドです。イチロー氏に、「“スーキースーキー”ってドン・コベイだよねぇ」と訊くと、「オリジナルはそうだけど、ステッペン・ウルフが演ってんですよ。」・・・・ステッペン・ウルフって名前、久々に聞いたぞ!

 11/11(土)東京中低域:バリトンサックスが11人である。11本のバリトンというのは楽器屋でも見たことがない。総額一千万は下らないのではないか。一本くらい無くなっても判らないのではないか。コメ兵だと足がつくだろうか。そういやぁ今池商店街に知り合いの質屋が・・・。いやいや音楽の話だった。僕はバリトンの音域が好きである。心安らぐ音域だ。トランペット11人なんていうのは、どうもいただけない。そして、バリトンサックスは、楽曲の骨子を作ることの出来る楽器でもある。あまり頻繁には使われないが、色んな分野でバリトンのリフが、その曲のイメージを決定付けている例も多い。だからバリトン11人は許されるのである。つまり東中は、まづコンセプトで勝利している。そして色んな人が持ち寄る曲やアレンジもそれぞれの持ち味が出ていてよいし、やってる奴らが非常に楽しそうだ、というのも点数高いぞ!最後は客席に降りてきて、プレーヤーもお客さんもルンルンで、エンディング。また観たい!

 11/12(日)〜14(火)いちごメロンSHOW:今回の「いちメロ」は過去最高の出来でした!来てない人のために少々説明します。「ロミオとジュリエット」や「ウエストサイド・ストーリー」といった定番の悲劇です。恋に落ちた二人が、どうにもならない周りの状況で引き裂かれようとする。そして二人は死をもってその愛を成就させるのである。涙々だ、普通なら。ストーリーいきます。アキラという男に生えている4本の陰毛がいる。ちん毛だ。ちん毛は毛根が命だ。抜け落ちると死んでしまうので、タップダンスで足元を鍛えている。唄って踊るショウマンだ。ある日、アキラはお寿という女とセックスをする。その時、一本のちん毛浜田と、一本のまん毛栗子は運命の出会いをする。何度かつかの間の出会いを繰り返し愛を確認し合う二人。しかし、アキラとお寿はセックスの相性が悪く、愛する二人は二度と会えなくなるという。その時栗子は歌うのだ。歌っている場合では無いのだが歌う。「い〜っそ、抜け落〜ちて、は〜まだの、もと〜へ」そして、手にしたカッターナイフで毛元を切り落としてしまうのである。浜田の腕の中へ抜け落ちていった栗子。悲しみのクライマックスで出演者全員が「愛のち〜ん毛、愛のま〜ん毛、二本のちぢ〜れた毛がぁぁ」と、歌い踊り、舞台狭しとタップを踏む。どうでしょう?観てみたくなりません?次回は、新作を引っさげて5月頃の予定。仕事とはいえ、俺なんか三日間で四回もこの芝居を観たんだぜ。助けてくれよぉ。

 11/18(土)No Kiddingという四日市のバンド。ブルースやR&Bを演るのだが、Vo.の人のキャラクターが笑わせる。三回くらいギャハハハとなった。ギターの二人も、人間ムキ出しでケツの穴見せてくれるので、僕なんかは拍手喝采!「行け行けぇ!どうせ人間なんか、全員いなか者なんじゃぁ!」と、まあそんな感じの演奏で楽しいです。僕、実はこういうの好きです。

 11/19(日)THE原爆オナニーズ、GAUZE、TOMORROW:前日に「原爆の時に田口トモロウが来るって聞いたのですが・・・」と言う電話がかかってきて、一瞬ビックリ。少し考えて、田口トモロウとトゥモロウというバンドを勘違いしたガセネタだと判明、笑いました。GAUZEというバンドは、ハードコアを好きな人達には特別のリスペクトを受けているバンドなんだそうで、原爆とのカップリングで聴けるとあって、東京からのお客さんも含めて大入り!バンドもお客さんも大満足だったはず。GAUZEも原爆も20年という歴史を持つバンドだけど、精力的にやっていてもらいたい。なんたってTOKUZOの鉄柵は、原爆をやるために作ったのだから、あと10年はやってもらわんと合わんのであ〜る!



 11/20(月)グルーポ・チェベレ:一曲目でブッ飛んだ!最近のサルサを聴いていないので、どの辺のサウンドなのか判らないが、明らかに今のシーンで最先端の音だと思われる、モダンで骨っぽい現代的サルサ・サウンドだ。かなり複雑な事をやっているのだが、それを感じさせずに踊りまくらせる。ちょっと目がテンでした。英国のチャートで人気爆発というのもうなずける。もっとタップリ聴きたかったけど、時間の制約があってゴメンナサイ。又来て欲しいなぁ!



 11/21(火)大日本テロル、REBEL BLUE、玉砕:えらいバンド名だ。雨宮処凛(あまみやかりん)さんという人が主演する、「新しい神様」というドキュメンタリー映画が公開されて話題を呼んでいる。民族右翼の活動家で、「維新赤誠塾」というバンドをやっている雨宮さんが、北朝鮮に行って、よど号事件の犯人たちと会ったりしながら、深く自分や周りの人達と向き合っていく、といった内容のフィルムだ。観てみると、雨宮さんがすごく魅力的な、おねえちゃんなのである。ミニスカ右翼の名に恥じない、いい子なのだ!?最近では自叙伝みたいな本まで出していて、人気上昇中らしい。その雨宮さんの新しいバンドが、「大日本テロル」。特攻服に身を包み、トラメガ片手にアジりまくる処凛ちゃんイカス!って感じでおじさんは喜ぶんでありますが、真剣に考え、悩みを持つ若い人達にとっては、もっと切実なもののよう。「玉砕」というのは名古屋の高校生バンドなのだが、ニュース番組で雨宮さんを見て、大々的に影響を受けてしまって、受験という大事な時期にもかかわらず、夏休みを「維新赤誠塾」のコピーバンドで費やしてしまった子達だ。その「玉砕」をトリにして、なおかつモノホンの雨宮がヴォーカルで入る!処凛ちゃんは優しい人だ。人を救える人だ。「玉砕」の高校生達は一生忘れないぞ!



 11/22(水)シェリー・ハーシュ、内橋和久:ヒステリックに金切り声をあげてみたり、目がいっちゃったまま髪の毛振り乱して、恐山のイタコみたいになっちゃうヴォイスの人が苦手である。困ってしまうからだ。シェリーさんは、僕のような人を困らせない。実に多彩なアプローチで、オ・ン・ガ・クを作る。対するは、巷で「ウチハシ、ヘタ、ウタナイ」と言われているかどうかは知らないが、内橋だ。スリルとユーモアに満ちた、インプロヴィゼーションで楽しい一夜でした。内橋さんに「来年もよろしくね」と言うと、「そんなこと言うたら、なんぼでも来まっせぇ。俺は凝りへんからね」だって。なんぼでも来てね!



 11/23(木)は、灰野敬二だったが、僕はバレーボールズでラブリーへ。最後に、とてもきれいな白人のお嬢さんに一万円もらう。全曲よかったとのこと。舞い上がって、一万円札ひたいに貼ったままアンコールを唄ってしまいました。バカです。



 11/25(土)リバーヴスというバンドを初めて聴く。唄を大事にしたいいバンドだ。是非また演ってください。名古屋のいいバンドをみると、嬉しくなっちゃいます。



 11/26(日)小山卓治:熱狂的なファンにびっくり。アンコール曲、小山さん本人が歌詞カードを見ているのに、お客さんは始めから最後まで空でうたっていた。ゲストで登場した中野督夫(センチメンタル・シティー・ロマンス)が、「TOKUZOのZをとったらトクオになるがや」とかなんとか・・・。かってにZをとられないように気をつけねば。



 11/27(日)Rabi Sari:ウードという楽器知ってます?アラブの方でよく使われる、楕円形のギターみたいなやつです。本格的にウードを弾く人は初めてみたのですが、三味線でいうサワリのようなノイズ感と、暖かい深みを持ついい音。常味裕司さんは、日本で指折りのウード奏者だとの事、バッキングにソロに、とネックの上を縦横無尽に手が動き回ります。対する和田啓さんが使うパーカッションは、バリ島の両面太鼓とドラの様なデカいシンバル、アフリカの壺に穴の空いた打楽器、アラブのタンバリン、アイリッシュトラッドで使う太鼓の大きいの、と様々。それに、ずっとジャズを唄っていたという松本泰子さんの唄がのっかります。日本風ともアラブ風とも言い難い独特のメロディーが顔を出したり、計算されてミックスされた物ではなくて、どうなるか判らないけど演ってみたらこうなった、という感じのあざとさのないミクスチュアー・ミュージックで楽しみました。個人的には、途中でやったアラブの曲のカヴァーの様な、横揺れで踊れそうな曲が日本語で出来たらなぁ、なんて思います。色んな可能性があって、楽しみなバンドです。



 11/28(火)モンゴル国立民族歌舞団:素晴らしいライブだった。まず、Opening Actの岡林立哉(ホーミー、馬頭琴)と三枝彩子(オルティンドー)。岡林が一人で登場してアカペラでホーミーを一曲。静まりかえって聴いていたお客さんから、終わったとたんにどよめきがおこる。どうだっ!!してやったりだ。別に僕がエライ訳ではないが、大リーグで野茂がノーヒットノーランをやった時のように誇らしいではないか。そして三枝登場。圧倒的な声量と伸びやかさを持つ唄でノックアウト。二人ともそこいらの偽物とはワケが違います。前座でこんなに興奮してしまっていいのかという状態で迎えたホンモノの一流。モンゴル伝統音楽の美しさにどんどん吸い込まれてゆくワタシ。感情のこもったホーミーに、馬頭琴の深ぁい音色に、泣きそうになります。アンコールでモンゴル琴、横笛、馬頭琴、胡弓の大きくなったヤツなどの流れるような演奏に乗って、日本の唄「赤とんぼ」と「ふるさと」をホーミーで熱唱!拍手、拍手で、感動とため息のエンディングです。TOKUZOでは四度目の彼らですが、今回が最高!来年もゼヒよろしく!待ってます。・・・と思っていたら、木村充揮さんがフラッと飲みにやってきた。ラジオ出演の為、名古屋に寄ったとのこと。友達の店へ行って5時まで呑んでしまった。木村さんも、私も絶好調!またバレーボールズと演りましょう。



 11/29(水)The Love:博多出身の三人組で、全然知らなかったのですが、元気のいい良いバンドでした。飾ったところもなくて、好感の持てる若者です。九州の人達って、どんな音楽を演ってる人でも素直で感じがいいのは何でかしらん。

 11/30(木)ライブが終わった頃に、グルーポ・マリュクの川口が、興奮してやって来た。世界一のケーナ奏者(川口談)ルーチョ・カブール達と川口達が共演したCDが、三年越しでやっと出来上がったとのこと。「OK、一月号のチラシのブラックリストの欄は君に決定だ!」と、すぐにインタビュー決行!その後深夜に、もらったCDを聴きながら、川口が書いたライナーを読んでいたら泣けてきちゃった。川口君オメデトウ!